人気記事ランキング2023

今年は追浜方面にも力を入れたいところですがどうなるか

2024年あけましておめでとうございます。本年も当サイトをよろしくお願いします。
さてここでは昨年2023年当サイトで最も見られた10記事をランキング形式で見ていきます。

10位 2023年10月公開

10位は京急バスを中心とした横須賀の路線バス利用に便利なリンクを集めたリンク集が入りました。公共交通ポータルサイトを名乗りながらこういった面が弱かったため作成しました。今後は鉄道版も作成しようと思いますので是非ご活用ください。

9位 2020年12月公開

9位は2022年の大河ドラマの聖地巡礼サイトが入り、放映終了後と言う中でのランクインに大河ドラマの強さを感じました。衣笠商店街や山城ガールむつみさんが引き続き大河ドラマでクローズアップされた三浦義村をはじめとした三浦氏を盛り上げるために尽力してくださったのも大きいです。今後ともこういった動きをフォローしていこうと思います。
電車とバスでGo!その5~2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」聖地を行く 三浦編~
電車とバスでGo!その8~2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」聖地を行く~ 鎌倉・金沢編~
電車とバスで行ってみたその1:横須賀美術館特別展 運慶 鎌倉幕府と三浦一族
電車とバスで行ってみたその2:三浦一族展と衣笠商店街
電車とバスで行ってみたその4:20230219衣笠 High Free Fess2023と衣笠商店街、さかくら総本家

8位 2023年1月公開

京急電車の28年ぶりの運賃改定の紹介サイトが8位に入りました。単純な運賃値上げと言うわけではなく、横須賀市と言う視点に立てば品川・都心方面は値下げとなる事、IC乗車券を利用する子供に関しては75円均一となる為運賃改定と言う言葉を使いました。横須賀市民としては品川・都心・千葉方面へ行く際、子供が利用する際にお得になるというのは大きいですが、横須賀の地域としては品川の先にある埼玉・栃木・群馬・茨城と言った北関東地域から人を呼び込む事を考えるのも必要ではないかと思って色々書いています。
バリアフリー料金・オフピーク定期JR東日本3月運賃改定を少しまとめて見る

7位 2021年1月公開

7位には横須賀・三浦半島で使える一日乗車券の紹介記事が入りました。この記事はGW,夏休みなど長期休暇期間、秋の行楽シーズン前後に見られることが多いです。公共交通ポータルを名乗っている以上、地元の人たちの日常の交通に役立つ情報を発信するのも大切ですが、地元の外の人も含め非日常の交通に役立つ情報を発信し、利用者を増やし地域を盛り上げるのも大切かなと考えています。
一日乗車券をもって東京・横浜へGo!!

6位 2023年5月公開

6位には4~6月に放映されたアニメ「女神のカフェテラス」の聖地巡礼の情報をまとめた記事が入りました。聖地巡礼に関してはスタートしたのがコロナ禍真っ盛りの時期だっただけに「密」を避けつつ公共交通の利用促進につなげられないかと言う視点で作成しています。また今年は花火大会の中止が相次いだこともあり、天候に関わらず盛り上がるコンテンツの聖地巡礼の存在は有難かったです。「女神のカフェテラス」に関しては聖地巡礼のスタンプラリーなど地元三浦市が頑張った事、メイン舞台である三浦海岸だけでなく、アニメのちょっとした場面で城ヶ島等が出てきたことで三崎港も含め三浦市の主要な観光スポットを抑えられた事、デジタルみさきまぐろきっぷを使ったツアー風の紹介が出来たのもありがたかったです。
電車とバスで行ってみたその5:デジタルみさきまぐろきっぷで巡る女神のカフェテラス聖地巡礼スタンプラリーin三浦 20230629

5位 2023年10月公開

5位には11月に行われたダイヤ改正の紹介記事が入りました。コロナ禍以降の減便ダイヤ、2022年の特急復活など横須賀市民にとっては影響の大きいダイヤ改正が続いただけに今回のダイヤ改正はJRのダイヤ改正と時期が大きく離れた事、改正内容が地味でその分少し関心が薄かったのですが、それでも2023年作成の記事では最も読まれたというのは書き手冥利に尽きるところです。
横浜大激変~鉄道各社2023年3月ダイヤ改正と横須賀終電時刻表~

4位 2021年3月公開

4位には2021年に放映されたアニメ「IDOLY PRIDE」の聖地巡礼記事が入りました。放映後2年経ったしかもそこまで大人気と言うわけでもないアニメの聖地巡礼記事がここまで読まれるというのは正直興味深い所ではありますが、ソーシャルゲームとしてそれなりのユーザーを継続的につかんでいる事、また言い方は良くないですが競合するサイトが多くなかったんだろうなと思います。
電車とバスでGo!その4~アニメ放映5周年を迎えたはいふりの聖地を行く
電車とバスでGo!その7~アニメ「スローループ」の聖地を行く~
電車とバスでGo!その9~1980年代の横須賀を探す~シェンムー聖地巡礼

3位 2021年12月公開

3位には2021年に行われたMEGURU PROJECTへ当時実証実験中のデジタルよこすか満喫きっぷを使って訪問した訪問記が入りました。記事のリリースは2021年ですが3年目の2023年が1番読まれた記事です。記事リリースから少し経つと読まれなくなっていたのですが、2回目のMEGURU PROJECTが行われた2022年秋からPVが増え、月毎の最多PVが記事リリースから2年の2023年11月と相成りました。2023年に3回目のMEGURU PROJECTが行われ、かながわ鉄道割でデジタルよこすか満喫きっぷが注目され、その利用方法を調べて辿り着いた人が多いのかなと感じます。書き手冥利に尽きる状態です。

2位 2022年12月公開

2位は人気アニメ「ぼっち・ざ・ろっく」の聖地巡礼記事が入りました。「ぼっち・ざ・ろっく」のメイン舞台は下北沢なのですが1話丸ごと金沢八景が舞台になった回を取り上げたのですが、その時出てきた主要キャラクター廣井きくりのスピンアウトもあった事から多くの人達に見られました。有難い限りです。個人的には飲んだくれの廣井きくりとコミュ障の主人公後藤ひとりの邂逅が尼将軍北条政子縁の神社だったのにびっくりしながら書いたのが良い思い出です。

1位 2021年3月公開

1位は所謂バス特が廃止後に導入された金額式IC定期券を紹介した記事が入りました。2023年はモバイルPASMO通学定期券の導入やバスの運賃改定、小児用IC乗車券による100円均一運賃の導入した事もあってそのフォローを行った結果もあり見られました。今年は通学向けの年度定期券の販売もあるのでそこもフォローしていけたらなと考えています。公共交通ポータルサイトとして手間はかかるものの、こういった利用者と事業者のギャップを繋ぐ記事が見られているというのは有難い限りです。
とは言え、情報追加が増えすぎてやや見づらくなっているのでそこも修正していけたらなとも考えています。
京急バス9月運賃改定について

いかがでしたか2024年も当サイトをよろしくお願いします。

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人気記事ランキング2022

2022年の人気記事ランキングです。どんな記事が見られたでしょうか?

10位 2022年1月

聖地88か所にも選ばれたうちのまいこさん原作のアニメ「スローループ」の聖地巡礼の記事が10位に入りました。地元横須賀市もコラボレーションを行い様々な形で盛り上がったと思います。個人的には9月に惜しまれながら営業終了した観音崎京急ホテルを取り上げられたのもよかったです。

9位 2020年6月

9位はこのサイトの開設以来のメインサイトが入りました。現在は毎週新しい記事としてリリースしています。コロナ対応と言いつつ各社のプレスリリースのリンク集で、ここから面白そうなネタを探して別の記事を作っているという意味で、現在も大切な記事である事には違いないです。

8位 2021年2月

横須賀・三浦半島をターゲットとした一日乗車券の紹介記事です。一日乗車券と言うと券売機や窓口で買うものと言うイメージでしたがこの記事が出た2021年から段々デジタル移行が進んでいます。デジタルだと少し安く買えたり、紙のきっぷでは対応していない泉岳寺発着に対応していたりと便利なので横須賀・三浦半島を訪れる際は一度試してみてはいかがでしょうか?

7位 2022年11月

昼間の特急復活が話題になった京急の2022年11月ダイヤ改正の特集記事、京急だけでなく直通先である都営浅草線、京成線、北総線などの情報も入れています。ちなみに電車のダイヤ改正に合わせてバスのダイヤ改正も行われたのでどう取り上げるか悩んだのも良い思い出です。

6位 2022年7月

横須賀のメインターミナル横須賀中央駅の電車・バスの時刻表などを中心とした紹介記事です。10月に南海バスの夜行バスが乗り入れることになりその際に沢山の方に見て頂きました。普通に考えれば11月にダイヤ改正された京急線を利用する横須賀市民の方が圧倒的に多いはずですが、夜行バスと言う新しい交通機関の誕生は横須賀市民の心をつかんだのかもしれません。

5位 2021年7月

2022年放映された大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の三浦市内の聖地を取り上げた記事です。一番盛り上がったのは実は「鎌倉殿の13人」とは全く関係ないはずなのですが三浦道寸と言う戦国時代に北条早雲と激しく争い敗れた武将を祀った同寸祭りの復活時です。とは言え取り上げている聖地は基本的に三浦平六義村や和田義盛の本領とも言える地域が中心です。三崎でマグロを食べつつ聖地巡礼なんていかがでしょうか?

4位 2022年2月

さて4位には2月、3月に行われた京急線・横須賀線のダイヤ改正記事が入りました。11月のダイヤ改正記事が7位なので大差あるように見えますが4~7位は激戦でした。それでも上回ったのはやはりJRの話があったからかもしれません。上野東京ライン開業で京急のターミナルである品川から群馬・栃木・茨城の北関東3県へアクセスが飛躍的に向上し、横須賀線だけでなく東北・高崎・常磐など横須賀線以外のJR線への関心が高まったのかもしれませんね。

3位 2021年3月

3位には故神田沙也加さんをはじめとする豪華声優陣で作成されたアイドルアニメ「IDOLY PRIDE」の聖地巡礼記事が入りました。当サイトは横須賀がメインですが三浦市や横浜市金沢区等「三浦半島1DAY・2DAYきっぷ」のエリアをメインの対象と考えている為、金沢八景(作品中では星見市と言う名称)が舞台のこの作品も取り上げてみました。しかし決してメジャーではないこのアニメの記事が大河ドラマに引けを取らない程見られているというのは興味深いところです。

2位 2020年12月

2位には大河ドラマの底力か2022年放映された大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の横須賀市内の聖地を取り上げた記事が入りました。和田義盛、三浦義村・初・三浦義澄と主役北条氏には劣りますが北条氏に次ぐ存在感を出した三浦氏、その本拠地である大矢部・衣笠地区を中心に書きました。書いていく過程で、三浦氏関連の聖地の中心である満昌寺や三浦氏研究会の山城ガールむつみさん等地元の関係者の頑張りが見れたのが大きな収穫でした。

1位 2021年3月

1位は今年導入されたバスの金額式1日乗車券の紹介記事が入りました。昨年バス得と言われるPASMO/SUICAのお得なサービス廃止の際のプレスリリースに出てきた「金額式IC定期券」の単語からスタートした記事で、3月4月にはこのサイトでは珍しくコメント欄に質問が来て京急側にメールで質問し、解答やサイトのブラッシュアップを行っていたのも良い思い出です。

如何だったでしょうか?1位の記事のPVは2位にダブルスコア以上の圧倒的な数値だったのですが、今後運賃値上げや制度の変更等には柔軟に優先度高く対応する必要があるなと感じた次第です。


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バリアフリー料金・オフピーク定期JR東日本3月運賃改定を少しまとめて見る

バリアフリー料金、オフピーク定期、JRE POINTと複雑ですがお得に利用していきましょう。@衣笠駅

本題に入る前に良いわけではないですが当記事は正確な記述を心掛けますが個人blogであり、記述ミス、見解違い等ありうるものです。詳細な疑問点等は交通各社公式HPをご確認ください。
また2023年10月に実施予定の京急の運賃改定に関しては以下を参照ください。
横須賀~品川・都心は値下げ?~速報:京急線運賃改定申請202301~

概要~鉄道駅バリアフリー料金とオフピーク定期~

1 「オフピーク定期券」について
⑴ オフピーク定期券とは
「オフピーク定期券」は、平日朝のピーク時間帯以外の時間帯にのみ定期券としてご利用いただける、通常の通勤定期券より割安*な Suica 通勤定期券です。発売額、サービスの詳細は、本日より公開しました特設サイト(https://www.jreast.co.jp/offpeak_teiki/)をご覧ください。
* 現行の通勤定期券に比べ約10%割安となります。(別途鉄道駅バリアフリー料金が加算されます。)
⑵ 「オフピーク定期券」の発売開始日および「通常の通勤定期運賃」の改定日について
2023 年3月 18 日(土)
※ 「オフピーク定期券」の発売開始日前の前売りはいたしません。
※ 東京の電車特定区間内完結となる「通常の通勤定期券」は、同日発売分から改定後の運賃(現行より約1.4%値上げ。別途鉄道駅バリアフリー料金が加算されます。)が適用となります。
(3)対象エリア
東京の電車特定区間内完結となる区間
※ JR 東日本線と私鉄・地下鉄線にまたがるSuica通勤定期券においても、JR東日本線が対象エリア内であれば、「オフピーク定期券」をお選びいただけます。

「オフピーク定期券」のサービスを開始します
~2023 年3月 18 日(土)より発売を開始するとともに、通勤定期運賃を改定します~@JR東日本
より

2 「鉄道駅バリアフリー料金」の設定について
当社は、国により創設された鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、東京の電車特定区間内完結となる区間(上図)をご利用になる場合を対象に「鉄道駅バリアフリー料金」を設定いたします。収受した料金はバリアフリー設備の整備費に充当し、さらなる駅のバリアフリー化を進めます。
⑴ 料金の設定日
2023 年3月 18 日(土)
⑵ 料金設定額(大人)

「オフピーク定期券」のサービスを開始します
~2023 年3月 18 日(土)より発売を開始するとともに、通勤定期運賃を改定します~@JR東日本
より

さてのっけから長々と引用してきましたが、JR東日本が2023年3月18日に鉄道駅バリアフリー料金を設定して、運賃を改定すると同時にオフピーク定期券と言う新しい通勤定期券のサービスを開始するそうです。また対象エリアである東京の電車特定区間には横須賀を走る横須賀線の全線も含まれるため、その内容などについて少し解説みたいなことをしていきたいと思います。

鉄道駅バリアフリー料金及びオフピーク定期券の概要(「普通乗車券」と「通勤定期券」の
運賃改定のお知らせ
より)

まず概要としては上記の様になるようです。横須賀線を含む対象エリアでは
・普通運賃(きっぷ、IC)は既存の運賃に鉄道駅バリアフリー料金(10円)を加算する形となります。
・通学定期の運賃に変更はないです。
・通常の通勤定期券に関しては現状の定期運賃から1.4%値上げの上で鉄道駅バリアフリー料金(1か月280円、3か月790円、6か月1420円)を加算するとの事です。
・またSuica/モバイルSuica限定ですがオフピーク定期券を新設し、現状の定期より安く利用できる様です。
・また横須賀駅~大船駅~藤沢駅の様に対象エリア外を含む区間に関しては運賃の変更及びオフピーク定期の設定はないとの事です。

オフピーク定期券について

3月18日より通勤定期券にオフピーク定期券が加わります!より

続いてオフピーク定期券の概要について見ていきます。大まかの概要は以下になるみたいです。
・平日朝ピーク時間帯以外は普通に定期券として利用可能です。
・改定前の通勤定期運賃から10%程度値下げになるようです。
・ピーク時間帯か否かは入場時に判定します。
・仮に駅入場が平日朝ピーク時になった際は定期券としては向こうでIC普通運賃をSuica/モバイルSuicaから差し引くことになります。

横須賀線各駅のピーク時間帯(オフピーク定期券ピーク時間帯検索より)

横須賀線各駅からオフピーク定期を使って横浜・川崎・都内へ通勤する場合、ピーク時間帯が無効になるのは上の表の様になります。
久里浜駅・衣笠駅:6:05~7:35
横須賀・田浦駅:6:10~7:40
逆に言えば通勤時の大半がこの時間帯に入場せずに済む場合はオフピーク定期券がお得になるというわけです。

改定前、改定後、オフピークの普通IC乗車券及び通勤定期の運賃(単位:円、㎞(距離)、斜め字:特定区間、東京の電車特定区間の普通運賃表東京の電車特定区間の定期運賃表(通勤)特定区間の普通・定期運賃表(通勤)より作成)

さて東京・品川・川崎・横浜の各駅から横須賀線横須賀市内各駅の運賃改定後の普通運賃(IC)と通勤定期、オフピーク定期の運賃は上記の様になります。ただし藤沢など対象エリア外の駅が目的地の場合は現状のままです。
・普通運賃:10円値上げ
・通勤定期:2~3.5%(470~720円)値上げ
・オフピーク定期:8~9.1%(1140~2910円)程度値下げ
尚斜め字の箇所は京急との競合上特別に割引が行われている特定区間となります。尚切符の運賃は1円桁を繰り上げるか参照先の一覧表を参照ください。また3か月定期・6か月定期も同様です。

オフピーク定期券の対象エリアとなる電車特定区間(※上図のエリア以外をご利用の場合(エリア内とエリア外をまたがって利用する場合を含む)は運賃の変更はありません。)

また対象エリアとしては上の地図の様になります。
有効な区間の例としては以下が上がります。
〇久里浜駅~東京・川崎・横浜駅
〇久里浜駅~横浜駅~八王子駅
〇久里浜駅~東京駅~千葉駅
〇久里浜駅~東京駅~大宮駅
〇久里浜駅~東京駅~柏駅
無効な区間の例としては以下が上がります。
×久里浜駅~大船駅~藤沢駅(藤沢が対象外)
×久里浜駅~東京駅~蘇我駅(蘇我駅が対象外)
×久里浜駅~東京駅~上尾駅(上尾駅が対象外)
×久里浜駅~東京駅~土浦駅(土浦駅が対象外)
×久里浜駅~横浜駅~八王子駅~大月駅(大月駅が対象外)

他社線とまたがる場合(3月18日より通勤定期券にオフピーク定期券が加わります!より)

また横浜や山手線内まで横須賀線で行き、そこから地下鉄などに乗り換えて通勤する場合の連絡定期もJRの利用区間がオフピーク定期の範囲内であれば可能です。

定期範囲外にまたがる利用を行う場合(3月18日より通勤定期券にオフピーク定期券が加わります!より)

オフピーク定期券を使って定期範囲外まで利用する場合(横須賀~新橋を例とします)
・久里浜駅から新橋駅の様に定期の範囲外で乗車し、定期の期間内で下車するときは久里浜駅入場時がオフピーク時間帯なら通常の定期券と同様範囲外の久里浜~横須賀駅の運賃のみ支払う形となります。
・藤沢~新橋の様にオフピーク定期の範囲外の箇所から乗車する場合、ピーク時間帯の設定がない為時間による制約はなく定期券の範囲外の藤沢~大船の運賃のみ支払う形となります。
・横須賀駅から東京駅の様に定期券の範囲内で乗車し、範囲外に乗り越す場合は横須賀駅入場時がオフピーク時間帯なら通常の定期券と同様範囲外の新橋~東京の運賃のみ支払う形となります。
・横浜市営地下鉄湘南台~戸塚乗換え~新橋の場合、JR戸塚駅入場時オフピークであれば定期券が有効で湘南台~戸塚の運賃のみ支払う事になります。
・JRが直通する相鉄線海老名駅~新橋の様なケースは海老名駅入場がオフピーク時間内であれば定期券が有効で範囲外の海老名~鶴見の運賃のみ支払う形となります。

オフピークポイントサービスについて

3 2023 年4月以降の「オフピークポイントサービス」について
2021 年3月にスタートしました「オフピークポイントサービス」は、新しいライフスタイルを志向するお客さまからご好評をいただいておりますが、この度の「オフピーク定期券」のサービス開始に伴い、利用対象エリアを変更し、2023 年4月1日から1年間期間を延長して実施いたします。

「オフピーク定期券」のサービスを開始します
~2023 年3月 18 日(土)より発売を開始するとともに、通勤定期運賃を改定します~@JR東日本
より

またオフピーク定期券の前身とも言えるサービスであるオフピークポイントサービスに関しては対象エリアを変更して4月から1年期間を延長して実施するようです。

「オフピーク定期券」のサービスを開始します
~2023 年3月 18 日(土)より発売を開始するとともに、通勤定期運賃を改定します~@JR東日本
より

まずエリアに関しては上の様に変更となります。
〇久里浜~藤沢(藤沢駅が対象エリア)
×久里浜~横浜・川崎・品川・東京(全区間が対象エリア範囲外)

JRE POINTに登録済のSuica通勤定期券により、平日の朝に、対象エリアの駅でポイント還元対象となる時間帯に、改札機を利用して入場した場合、毎月4回目までは5ポイント、5回目以降は25ポイントのJRE POINTを還元します。なお、ポイント還元対象となる時間帯は各駅の朝ピーク時間帯の前後に設定します。

オフピークポイントサービスより
オフピークポイントサービス対象時間帯検索より

オフピークポイントは
・JR東日本のポイントサービスであるJRE POINTに登録済のSuica(IC/モバイル)通勤定期券で
・上の表に書かれたポイント還元対象時間帯に改札機を利用して駅に入場した場合、1~4回目までは1回5ポイント、5回目以降は25ポイントが還元される
と言うサービスです。たまったJRE POINTはSuicaに還元可能となっています。

・SUICA(IC/モバイル)定期券JRE POINTの登録はこちらから
JRE POINTとは
・オフピークポイントサービスへのエントリーはこちら
オフピークポイントサービス

JRE POINTに登録したSuicaでお得に電車を使おう

JRE POINTのWEB会員の方の場合JRE POINTに使用しているSuicaを登録すると運賃で引かれたSuicaの金額に応じてJRE POINTが還元され、それをSuicaにチャージする事でお得に電車を利用する事が出来ます。

主な内容は以下になります。
Suicaの入金残高で乗って貯める(在来線乗車ポイント)
Suicaの入金残高で繰り返し乗って貯める(リピートポイントサービス)
モバイルSuica定期券を買うと貯まる
Suicaグリーン券を買って貯める
「タッチでGo!新幹線」等の利用で貯まる

・SUICA(IC/モバイル)定期券JRE POINTの登録はこちらから
JRE POINTとは

Suicaの入金残高で乗って貯める(在来線乗車ポイント)

JRE POINT WEBサイトに登録したSuicaの入金残高で在来線に乗車すると、ポイントが貯まります。モバイルSuicaの場合50円毎に1ポイント、ICカードの場合200円毎に1ポイントたまります。

例えば横須賀~大船間(改定後IC運賃318円)の場合
・モバイルSuicaだと6ポイント
・ICカードのSuicaだと1ポイント
たまります。

Suicaの入金残高で繰り返し乗って貯める(リピートポイントサービス)

JRE POINT WEBサイトに登録したSuicaの入金残高で、同じ運賃を支払って繰り返しご乗車いただいた場合、ポイントが貯まります。

※2023年3月分に限り、リピートポイントサービスの内容を一部変更しています。
2023年3月 鉄道駅バリアフリー料金設定に伴うリピートポイントサービスの達成条件変更について

例えば横須賀~衣笠の様な改定後のIC運賃167円区間△の場合ICカード/モバイル両方のSuicaで
・月10回利用で167ポイント
・11回目以降は1回毎に16ポイント
・それに加え在来線乗車ポイントが毎回モバイルSuicaで3ポイント、ICカードで1ポイント
たまります。
△ちなみに横須賀~衣笠と同じ運賃区間としては横浜~石川町、品川~目黒・新橋があります。

モバイルSuica定期券を買うと貯まる

JRE POINT WEBサイトに登録したモバイルSuicaでモバイルSuica定期券を購入すると、購入金額50円毎に1ポイントたまります。

・例えば横須賀~大船間の通勤定期1月(9620円)を購入した場合は192ポイントたまります。

Suicaグリーン券を買って貯める

JRE POINT WEBサイトに登録したSuicaでSuicaグリーン券を購入するとポイントが貯まります。

・モバイルSuicaだと50円毎に1ポイント
・ICカードの場合200円毎に1ポイント
たまります。

例えば横須賀~大船駅間で平日グリーン券を事前購入(50㎞以内、780円)した場合
・モバイルSuicaの場合15ポイント
・ICカードの場合3ポイント
たまります。

「タッチでGo!新幹線」等の利用で貯まる

JRE POINT WEBサイトに登録したSuicaで、「タッチでGo!新幹線」等のサービスをご利用いただくと、ポイントが貯まります。

タッチでGo!新幹線は東北・上越・北陸の各新幹線において切符を購入しなくても自動改札をSuicaで入出場する事で新幹線の自由席が利用できるサービスです。
利用の際にはあらかじめモバイルの場合はアプリにて、ICカードでは自動券売機での利用開始登録が必要です。ただし利用可能区間に関しては注意が必要です。
利用開始登録に関してはこちらを参照ください。
ご利用方法@タッチでGo!新幹線
利用可能区間をはじめとする注意事項はこちらを参照ください。
「タッチでGo!新幹線」利用開始登録にあたって@タッチでGo!新幹線

ちなみに東京~高崎間(運賃・料金合せて4490円)を利用した場合
・モバイルSuicaの場合89ポイントたまります。
・ICカードの場合22ポイントたまります。

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横須賀~品川・都心は値下げ、IC乗車券で子供は75円均一運賃に~京急線運賃改定20231001~

長距離は引き下げになるので横須賀へ、品川・都心へ、その先の千葉・成田へ

京浜急行電鉄株式会社(本社:横浜市西区,社長:川俣 幸宏,以下当社)は本日,2023 年 10 月(予定)の実施に向けて,国土交通大臣宛に鉄道旅客運賃の変更認可申請を行いました。
当社では安全・安心の最優先という経営理念のもと,強靭なインフラ構築と快適で便利な輸送サービス実現に注力してまいりました。しかしながら新型コロナウイルス感染症の流行とその後の新しい生活様式の浸透に伴い利用者が大幅に減少し,今後もコロナ前水準への回復は難しいと想定しております。
このような厳しい経営環境において,今回の運賃改定は,安全・安心の継続に必要不可欠な既存設備の維持管理,さらなる安全性向上,ホームドア等の整備を進めていくため,不足する費用の一部についてお
客さまにご負担をお願いするものであり,1995 年以来約 28 年ぶり(消費税率変更によるものを除く)の申請となります。主な申請内容は以下のとおりです。

鉄道旅客運賃の改定を申請しました~ 平均改定率 10.8% 遠距離区間は値下げ ~@京急より

さて京急が1995年以来28年ぶりに消費増税以外での運賃改定の申請を行いました。以下この申請の内容を前提に色々と書いていきます。
※あくまで運賃は申請段階でありかつ上限価格での申請の為、また個人サイトであり記述内容はあくまで一個人の見解である事、注意はしていますが記載ミスなどはありうるという事、その事をご留意し読んでいただけると幸いです。

※京急から分かりやすいハンドブック及び運賃詳細が出ていますのでそちらも参照ください。(2023/9/23)
京急線運賃改定ハンドブック
普通旅客運賃(大人)
通勤定期旅客運賃(大人)
通学定期旅客運賃(大人)
運賃検索

10月1日にほぼ決定した改定日と小児IC運賃全区間75円均一(2023年5月10日追記)

京浜急行電鉄株式会社(本社:横浜市西区、社長:川俣 幸宏、以下当社)は、2023年1月13日(金)に鉄道旅客運賃の変更認可申請を行い、本日、国土交通大臣より認可されました。運賃改定の実施日は、2023年10月1日(日)を予定しております。


小児IC運賃を全区間75円均一とします~割引制度変更など10月からの実施運賃を届出~
@2023/4/21より

4月のプレスリリースより運賃改定の実施日がほぼ確定しました。2023年10月1日(日)予定との事です。

※以下の内容は1月、4月、5月、9月のプレスリリースを比較し、変更の無いものに関しては1月のプレスリリースの内容をそのまま記載しています。

小児IC運賃を全区間75円均一とします~割引制度変更など10月からの実施運賃を届出~@2023/4/21より

1.実施日 2023 年 10 月1日(日)
2.新たな割引制度の導入および既存割引制度の見直し
(1)小児均一運賃の導入
運賃改定に伴う子育て世代の家計負担を軽減し,鉄道でのお出かけがしやすくなるよう,ICカード乗車券利用時の小児普通旅客運賃を全区間均一で75円(大人初乗り運賃の半額)といたします。(空港線加算運賃 25 円は別途ご負担いただきます。)
(2)精神障害者割引の導入
個人が相互に尊重する共生社会を実現するため,障害のある方の公共交通利用円滑化の一助として「精神障害者保健福祉手帳(1級)」をお持ちのお客さまが介護者と一緒に普通乗車券(きっぷ)で当社線をご利用される場合の割引制度を新たに導入いたします。
(3)特定運賃の設定
運賃改定を踏まえたお客さまのご負担に配慮し,現在品川~横浜駅間の一部区間に設定している特定運賃(普通旅客運賃)の割引額を拡大いたします。
3.その他(既存割引制度の一部廃止)
羽田空港第1・第2ターミナル駅または羽田空港第3ターミナル駅から都営地下鉄線および京成線各駅相互間をご利用するお客さまに適用している「空港連絡特殊割引」(普通旅客運賃)を廃止いたします。

小児IC運賃を全区間75円均一とします~割引制度変更など10月からの実施運賃を届出~@2023/5/10より

また5月10日のプレスリリースではICカード乗車券利用時の小児普通旅客運賃を全区間均一で75円とすることを中心とした新たな施策も発表されました。まず小児IC運賃全区間75円均一に関して書きます。他の施策に関しては下の方で記載します。

イ.割引対象,券種
ICカード乗車券で当社線をご乗車いただく小児のお客さま
ロ.改定後運賃(1円単位運賃)小児の普通旅客運賃(1円単位運賃)を,全区間均一で 75 円(大人初乗り運賃の半額)といたします。
ハ.その他
(イ)きっぷでご乗車の場合,小児の普通旅客運賃(10 円単位運賃)は,大人運賃の半額から変更ありません。
(ロ)羽田空港第1・第2ターミナル駅および羽田空港第3ターミナル駅をご利用いただく場合は,別途加算運賃 25 円をご負担いただきます。(75 円+25 円=100 円)
※ただし,羽田空港第1・第2ターミナル駅〜羽田空港第3ターミナル駅,羽田空港第1・第2ターミナル駅および羽田空港第3ターミナル駅〜天空橋駅相互間を除く

小児IC運賃を全区間75円均一とします~割引制度変更など10月からの実施運賃を届出~@2023/5/10より

小児旅客運賃75円の対象はあくまでPASMO等のICカード乗車券利用の小児、切符での利用の際はこれまで通り小児普通旅客運賃の詳細に関してはプレスリリースを見ると以下の様になるとの事です。

・対象はPASMO等ICカード乗車券利用の小児、切符を購入する場合はこれまで通り大人の運賃の半額となる
・羽田空港第1・第2ターミナル駅および羽田空港第3ターミナル駅と穴守稲荷以遠利用の場合に適用される加算運賃はこれまで通り加算され、対象となる区間では75+25円で100円となるとの事

小児用PASMO取得方法(2023年9月23日追記)

PASMO取扱事業者の駅やバス窓口等※に行き、「PASMO購入申込書」に必要事項をご記入のうえ、ご購入ください。
・ご用意いただくものお子さまの年齢が確認できる公的証明書等
例:

  • 健康保険証
  • 旅券(パスポート)
  • 身体障害者手帳
  • 療育手帳
  • 精神障害者手帳(写真付)
  • 在留カードまたは特別永住者証明書
  • 学生証(写真付)
  • 個人番号カード
  • 住民基本台帳カード(写真付)など

PASMO取扱事業者の駅やバス窓口等でのご購入@PASMOより

また小児用PASMO購入の際は年齢が確認できる公的証明書等を用意の上、駅や営業所など購入可能な窓口で必要事項を記入して購入してください。大人用の無記名、記名ICカードの発行は停止中ですが小児用ICカードに関しては2023年8月現在新規発行は可能となっています。

横須賀市内から品川・都心方面は値下げ~改定内容概要~

鉄道旅客運賃の改定を申請しました~ 平均改定率 10.8% 遠距離区間は値下げ ~@京急より

さてまずは申請の概要を見ていきましょう。ポイントとしては以下になると思われます。
・改定率は10.8%
通学定期に関しては据え置き
41㎞以上の区間に関しては値下げ

鉄道旅客運賃の改定を申請しました~ 平均改定率 10.8% 遠距離区間は値下げ ~@京急より

さて京急の資料から主要区間の申請・現行比較運賃の表を見ますと、品川から横須賀・三浦市、横浜から三浦市内が値下げになりそうな感じです。

横浜以北の主要駅から横須賀・三浦半島地区主要駅間の距離(2022年京急全線時刻表参照し作成、小数点以下は繰り上げ扱いとして40.1~40.9㎞を41㎞扱い、値下げ開始は値下げになり始める駅)

詳細を見る為に上の表では時刻表を参考に泉岳寺・品川・羽田空港・京急川崎・横浜の各駅から横須賀・三浦半島の主要な駅との距離を出しました。そうすると
・泉岳寺・品川・羽田空港~横須賀・逗子・三浦市内
・京急川崎~横須賀市南部(堀之内以南)、三浦市内
・横浜~三浦市内

が値下げとなる41㎞以上の区間となります。言うなれば品川・都心~横須賀・三浦半島は値下げすると言うのが京急の申請した運賃改定の1つの側面となります。

基本的に距離が長くなるほど値下げ傾向~改定内容詳細~

※京急から運賃詳細が出ていますのでそちらも参照ください。(2023/9/23)
普通旅客運賃(大人)
通勤定期旅客運賃(大人)
通学定期旅客運賃(大人)
運賃検索

普通運賃の申請前、申請後の運賃改定率、鉄道旅客運賃の改定を申請しました~ 平均改定率 10.8% 遠距離区間は値下げ ~@京急より作成

続いて普通運賃の距離毎の申請運賃と現在の運賃の比較を見ていきます。上の表は京急の資料より作成しました。左側はPASMO/SUICA等のICカード使用時の運賃、右側は切符購入時のものになります。傾向としては
・4~15㎞の区間が最も値上げ率としては大きい。
・16~30㎞の区間は値上げ率としては平均的だが、値上げ額としては大きい
・31~40㎞の区間は値上げとなっているが値上げ率は低くなっている
・41㎞以上は値下げでかつ距離が長くなるほど値下げ率が高くなる
となっていて利用距離が長くなるほどお得になると言えます。

通勤定期の申請前、申請後の運賃改定率、鉄道旅客運賃の改定を申請しました~ 平均改定率 10.8% 遠距離区間は値下げ ~@京急より作成

続いて通勤定期の距離毎の申請運賃と現在の運賃の比較を見ていきます。上の表は京急の資料より作成しました。傾向としては
・距離が短いほど値上がり率が高く長いほど低くなる。
・概ね20㎞以上で値上がり率の低下が顕著になる
・41㎞以上で値下げは普通運賃と同様
となっていてこちらも利用距離が長くなるほどお得になると言えます。

1,3,6か月の通勤定期額(2023年5月11日追記)

鉄道旅客運賃の改定申請が認可されました~2023 年 10 月1日に運賃改定を実施します@2023/5/10より

精神障害者割引の導入と特定運賃割引額拡大

(2023年5月10日追記)

(2)精神障害者割引の導入
イ.対象・割引率
「精神障害者保健福祉手帳(1級)」をお持ちのお客さまとその介護者それぞれ5割引
※「精神障害者保健福祉手帳(1級)」をお持ちでもご本人単独での乗車時や,「精神障害者保健福祉手帳」の等級が2級・3級のお客さまは割引対象外となります。
ロ.対象券種
普通乗車券(きっぷ)
※ICカード乗車券(PASMO等),回数乗車券および定期乗車券は割引対象外となります。
ハ.発売方法
割引乗車券をご購入の際には,駅係員が対応いたします。
※発売の際は,駅係員が「精神障害者保健福祉手帳」と,手帳の等級記載欄を確認させていただきます。
※紙・カードの手帳のほか,㈱ミライロのアプリ「ミライロ ID」の提示による確認も可能です。

小児IC運賃を全区間75円均一とします~割引制度変更など10月からの実施運賃を届出~@2023/5/10より

こちらは精神障害者対象の割引です。プレスリリースに書かれている内容を見ると
・対象は介護者を伴う「精神障害者保健福祉手帳(1級)」を持つ方とその介護者
・対象券種はICカードでなく、普通の紙のきっぷ
・購入の際は駅係員が対応
との事です。また㈱ミライロのアプリ「ミライロ ID」の提示による確認も可能との事です。

ミライロ ID

(3)特定運賃の設定
運賃改定を踏まえたお客さまのご負担に配慮し,現在品川~横浜駅間の一部区間に設定している特定運賃(普通旅客運賃)の割引額を拡大いたします。

小児IC運賃を全区間75円均一とします~割引制度変更など10月からの実施運賃を届出~@2023/5/10より
小児IC運賃を全区間75円均一とします~割引制度変更など10月からの実施運賃を届出~@2023/5/10より

品川~川崎~横浜で並走しているJR東日本の東海道線・京浜東北線との競合を意識して値上げ幅を縮小した感じです。

品川~横浜間のJR、京急運賃比較(京急は改定後の運賃)

改定後の運賃は10円ほど高くなりますが、2100系快特の快適なシートに座る投資と考えると安くなると感じるのは私だけでしょうか?

その他(既存の「空港連絡特殊割引」の廃止)
羽田空港第1・第2ターミナル駅または羽田空港第3ターミナル駅から都営地下鉄線および京成線各駅相互間をご利用するお客さまに適用している「空港連絡特殊割引」(普通旅客運賃)を廃止することといたしました。
空港連絡特殊割引は,お客さまの負担軽減と利用促進を目的に設定しておりましたが,新型コロナウイルス感染症の影響によるお客さまの行動変容や 2019 年 10 月の空港線加算運賃の引き下げ(170 円→50 円)など,割引設定当初とは経営環境が大きく変化しており,一定の役割を終えたものと考えております。なお当社では,羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線建設工事に着手するなど引き続き羽田空港アクセス充実に向けた取り組みを進めてまいります。何卒ご理解賜りますようお願い申しあげます。

(1)対象券種
普通乗車券(きっぷ),ICカード乗車券

小児IC運賃を全区間75円均一とします~割引制度変更など10月からの実施運賃を届出~@2023/5/10より
小児IC運賃を全区間75円均一とします~割引制度変更など10月からの実施運賃を届出~@2023/5/10より

また横須賀・三浦半島から直接は関係ないのですが都営浅草線、京成線各駅から羽田空港へ設定されていた割引の廃止も盛り込まれています。泉岳寺~羽田空港間の値上げ額を含めると80~110円と少し大きな値上げとなってしまいますが、良く考えると2019年に羽田空港の加算運賃を120円引き下げているので、2019年以前から見ると安くはなっていると千葉、東京のユーザーが思ってくれるのか注目したいところです。

41㎞以上区間の値下げに伴う定期券・回数券買い替えの際の扱い(2023年9月23日追記)

京急線運賃改定ハンドブックより

運賃改定前に購入した定期券・回数券に関しては期間内はそのままの利用が可能となります。そして横須賀市内~都内など41㎞以上の値下げ区間の定期及び回数券に関しては10月中に手数料不要で古い定期を払い戻しての買い替えが可能となります。また但し以下の点には注意が必要です。
使用開始日が運賃改定後の10月1日以降であっても9月30日までに購入する場合は9月30日までの旧運賃での販売となります。
・41㎞以上の値下げ区間以外に関しては定期払い戻しに関しては通常通りの手数料及び払い戻し段階での残期間は月単位※での扱いとなります。
・運賃改定後の乗り越しに関しては乗り越し区間の運賃は改定後の運賃を適用する
※使用開始日が9月20日の6か月定期を10月1日払い戻す場合、手数料及び同区間の1か月定期代金分を差し引いての払戻額となる(参考:きっぷ・定期券

詳細及びその他に関しては下記リンクも参考にしてください。

京急線運賃改定ハンドブック

利用者としての対策:改定後の運賃でお得に電車に乗ろう

対策0:子供連れのお出かけ際には電車を利用しよう(2023年9月23日追記)

大人2人小児2人時の横須賀中央駅から各区間のIC運賃

お子様連れでおでかけの際、子供分の運賃も考えると高くつくと思われる方も多いと思います。そんな方にとって今回の運賃改定ではお子様の為のIC乗車券を要出来れば、負担が緩和されます。
上の表は横須賀中央から主要区間の大人2人子供2人のIC乗車券運賃の改定前と改定後の比較です。大人運賃が値下げになる品川・羽田空港は30%近く、大人だけなら値上げになる三崎口、横浜など短距離~中距離でも値下げになります。
ガソリン価格も気になる昨今、小学生のお子様連れのお出かけの際に京急線電車の利用はいかがでしょうか?

対策1:都心へは品川乗換えで行こう

横須賀中央~東京駅の申請前、申請後の運賃比較(JRは2023年5月現在の運賃左IC運賃、右通勤定期1か月)

まず1つ目の対策としては特に都心へ通勤している人は特にそうですが、品川など出来るだけ遠くまで京急線でいくことになると思います。上の表は横須賀中央から東京駅までそれぞれ横浜駅・品川駅でJRの乗り換えていくパターンでの運賃と1月定期の金額を比較したものです。JRの運賃に関しては3月の運賃改定前のものとなっています。
横須賀中央から横浜の運賃は値上げ、品川の運賃は値下げの為、申請後は差が広がります。特に通勤定期では1月で2270円差が広がるのは小さくないと思います。1月で2270円と言う事は半年で1万円程度、年間で2万円程度広がるという事です。これは決して小さな額ではないと思います。

対策2:同じ区間を多く使うなら回数券(2024年2月25日追記)

回数乗車券発売終了のお知らせ

以下のとおり回数乗車券の発売を終了いたします。何卒ご理解を賜りますようお願いい申しあげます。

発売終了日 2024年3月15日(金)

発売を終了する回数乗車券
  • 普通回数乗車券
  • 時差回数乗車券
  • 土・休日割引回数乗車券
  • ※発売終了日までにお買い求めいただいた回数乗車券は、有効期限までご利用いただけます。
発売を継続する回数乗車券
  • 身体障がい者用割引回数乗車券
  • 知的障がい者用割引回数乗車券
  • 通学用割引回数乗車券
回数乗車券発売終了のお知らせより

2024年3月15日をもって普通回数券、時差回数券、土・休日割引回数券の販売が終了します。販売終了後も3か月間の有効期限は有効ですが以降は2024年4月5日から導入される乗車ポイントをご活用ください。
京急電車乗車ポイントについて少しまとめて見る
(2024年2月25日追記)

京急の回数券一覧(全て購入から3か月有効、普通回数券以外は小児用無し) きっぷ・定期券@京急より

もし定期を使うほどではないが、同じ区間を何回も使うような場合は回数券を使うというのが定番ではないかと思います。使うケースが土・休日に集中していたり、平日10:00~16:00に集中する場合は土・休日割引回数券や時差回数券は更にお得度が上がりますので検討してみるのもよいのではないでしょうか?
例えば・・・
PASMOで3か月間、月3回土休日浦賀~横須賀中央駅を往復する場合
浦賀~横須賀中央:180円x3回x2往復x3か月=3240円
回数券使用:180円x10【14枚分】+180×4円=2520円
→820円お得!!
※2023年1月の状況を前提としています、今後回数券に関して変更のある可能性がありますのでご注意ください。

対策3:横須賀市内を駆けずり回る場合は三浦半島1DAYきっぷも有効

三浦半島1DAY・2DAYきっぷより

また電車とバスを複数回使って横須賀・三浦半島を行き来する場合は三浦半島1DAYきっぷも使える場合があります。横須賀市内などこのきっぷの範囲内でも1DAYきっぷは購入できます。ただし購入は京急の電車の駅のみでバスの車内での購入は出来ませんのでそこはご注意ください。

例えば・・・
PASMOを使って横須賀中央から三崎港までマグロを食べに行った場合
横須賀中央駅~三崎口駅(京急電車):313円(283円)x2=626円(566円)
三崎口駅~三崎港(京急バス):305円x2=610円
合計:1236円(1176円)+各種優待
()内は現在の運賃
三崎港までの往復だけでも126円(66円)お得!
各種優待や電車やバスで他の場所に寄り道しても追加負担は無しで更にお得!!

※2023年1月の状況を前提としています、今後該当のきっぷに関して変更のある可能性がありますのでご注意ください。

三浦半島1DAYきっぷ小児料金値下げ(2023年9月23日追記)

小児がおトクに

ICカード乗車券利用時の小児運賃75円均一化に伴い、おトクなきっぷも小児がお買い求めやすくなります。
特に「三浦半島1DAYきっぷ」はどこの駅からでも500円でお買い求めできます。
(参考)三浦半島1DAYきっぷ 品川駅発:現在980円 10月1日以降500円

おトクなきっぷの発売額変更についてより

また今回の運賃改定により三浦半島1DAYきっぷの小児用料金が500円均一になります。現状560円ですのでさすがに品川からに比べ小幅ですが1コインで三浦半島地区の京急バス・電車乗り放題となるのはお得です。小学生のお子様のお出かけの際にはお供に1枚どうでしょうか?

地域としての対策:品川の先にいる人たちに値下げをアピールしよう

品川駅乗り換えで東北仙台まで一本で行けます@特急ひたち

今回の運賃改定の申請ですがもしこのまま申請が通った場合、重要なのは泉岳寺・品川から横須賀・三浦半島までの運賃が値下げになる事です。と言う事は品川・泉岳寺から京急線に乗って横須賀・三浦半島まで来る人達に「運賃値下げしました」とアピールするのは決して間違った事ではありません。そして品川・泉岳寺駅から乗り換えあるいは直通で、横浜方面とは逆方向に行く路線は下記のように多いです。
・都営浅草線・京成線・北総線(都心・市川・船橋・鎌ヶ谷・千葉NT・成田方面)
・総武快速線(都心・市川・船橋・千葉・成田・木更津・茂原方面)
・京浜東北線(都心・川口・さいたま方面)
・東北本線(都心・さいたま・小山・宇都宮方面)
・高崎線(都心・さいたま・上尾・熊谷・高崎方面)
・常磐線(都心・松戸・柏・取手・土浦・水戸・日立・いわき方面)

言うなれば中央本線以外の首都圏のJR主要幹線がすべて乗り入れ、埼玉・千葉・北関東3県にアクセスできるスペシャルな立地になる訳です。これらの地域に「値下げするこの機会に品川から京急で横須賀・三浦半島に行きましょう」と積極的にアピールする事で横須賀・三浦半島を訪れてもらって地域を盛り上げていくのはいかがでしょうか!!

他の路線の運賃改定情報
JR東日本(3/18 オフピーク定期券) 東急(3/18) 相鉄(3/18) 相鉄(3/18 新横浜線) みなとみらい線(3/18)

他の路線の回数券販売終了情報
JR東日本(2022/9/30終了済み) 東急(3/18) 相鉄(2022/12/30終了済み)

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とある申請に思う

※本記事記述内容は出来るだけ正確なものと考えてはいますが、あくまで個人的な見解であり、事実に関する疑問点などに関しては各企業、行政機関へお願いします。

神奈川県生活交通確保対策地域協議会に寄せられたある申請書

写真:このバス停がなくなるかも・・・
神奈川県生活交通確保対策地域協議会より

2021年3月の事ですが、京急バスが神奈川県生活交通確保対策地域協議会に京急ニュータウン野比海岸~YRP野比駅~光の丘2番間のバス路線に関する神奈川県生活交通確保対策地域協議会に係る路線退出等意向申出書を提出しました。

神奈川県生活交通確保対策地域協議会に係る路線退出等意向申出書より

申出書の詳細を見ますと退出予定年月は2022年4月、京急ニュータウン野比海岸~YRP野比駅~光の丘2番間のバス路線廃止との事です。ただしこの区間のバス路線がすべて廃止されるわけでなく並行する久里浜駅~尻擦坂上~YRP野比駅だったりYRP野比駅~YRP方面の外の路線バスが残るために実質的にバスがなくなるのは括弧内の京急ニュータウン野比海岸~野比中学校間、バス停で言えば京急ニュータウン野比海岸、NTTドコモ社宅前だけだと思われます。

神奈川県生活交通確保対策地域協議会は、県内における乗合バスの路線退出等にかかる生活交通の確保方策について、県・国・市町村・バス事業者が協議を行うために平成13年6月13日に設置されました。~中略~

県は、乗合バス事業者から路線退出等の申出があった系統に関し、関係者(事業者、地元市町村)間において、必要な生活交通確保方策に係る協議が調うよう事務局としての活動を行います。

神奈川県生活交通確保対策地域協議会より

さて神奈川県生活交通確保対策地域協議会と言われても何の事やら分からない方も多いと思いますから少し説明を、路線バスの退出などにより影響のある生活交通の確保の為に設置された協議会であり、今回の京急バスの様に路線の退出の申し出があった際に事業者や国・県・市町村などの行政と事業者の間で様々な調整を行う協議会です。

神奈川県生活交通確保対策地域協議会設置要綱より

実際京急の申請によって行われる具体的な話し合いは横須賀三浦地域分科会と言う地域分科会であり、県の交通企画課長を座長に市からは交通企画担当課長、当然申出書を提出した京急バスも出席した形で話し合いが行われるようです。

2010年代の横須賀市のバス利用状況

図・表:横須賀地区のバス利用者数推移(横須賀市統計書(平成25・29年度版)より作成)

さて横須賀市のコロナ前におけるバスの利用状況を見ていきます。上は横須賀市統計書より作成した横須賀市のバス利用者数の推移です。逗子や三崎と言った市外の京急バスの営業所の数値も含まれていて、横須賀市と言うよりも三浦半島の利用者数と言った方が近いかもしれません。推移を見ると2013年に8%減少、2015年に14.3%増と大きな増減があり注意が必要ですが2016年と2008年を比較すると概ね1割の増加と人口減少が言われる中、増加傾向にあったことが見て取れます。

表:各営業所ごとの増減横須賀市統計書(平成25・29年度版)より作成)

各営業所ごとの2016年と2012年との比較での乗客の増減を見ますと、逗子市、葉山町をに乗り入れる路線中心とした逗子営業所が30%増加、三浦市に乗り入れる路線を中心とした三崎営業所が6.1%減少と大きくなっていますが他の路線は概ね年1%前後の増加と言う営業所が多いです。

※ちなみに50%増加している湘南京急バス堀内営業所は各営業所のバス路線の運営を請け負う湘南京急バスの営業所でしたが現在再び京急バス本体に吸収されています。

子会社における吸収合併に関するお知らせ@京急バス2017/10/20

2010年度以降における各地域分科会路線退出等意向申出書提出数(神奈川県内退出意向路線一覧@かながわ駅からバス路線案内(※)参照 )※個人作成サイトの為製作者へのお問い合わせはご遠慮ください

その為神奈川県生活交通確保対策地域協議会に申請されるバス路線は2010年代を通じて0であり、多分ですが協議会設置の2001年度からも含めも協議会への申請がないと思われ初めての申請である可能性が高いです。

他の市等の対応

さてこの神奈川県生活交通確保対策地域協議会への京急バスの申請ですが横須賀市はどのように取り組むのでしょうか?横須賀市の事例は発見できませんでしたので他の市等の事例を見ていきます。

小田原市では、平成24年(2012年)1月に設立した「小田原市生活交通ネットワーク協議会(市民代表、交通事業者、行政等で構成)」において、公共交通のあり方について検討を行いました。
この結果、将来的に持続可能な公共交通ネットワークを構築するため、平成25年(2013年)3月に「小田原市地域公共交通総合連携計画」を策定し、事業を推進しています。
また、バス事業者から路線退出等の意向が示された場合には「神奈川県生活交通確保対策地域協議会(国・県・市町村・バス協会などで構成)」において、生活路線としての必要性を検討し、移動手段の確保方策について協議を行っています。
今後も、重要な生活交通である路線バスの運行を続けていくために、積極的なご利用をお願いいたします。

バス路線の退出等の状況について@小田原市より

最も申出が多い県西部の中心都市小田原市での取り組みを見ますと地域公共交通総合連携計画の様な横須賀にはない取り組みはありますがバス会社の申出に対して住民との調整を行う協議会などの設置は行っていないようです。

横浜市営バス路線の再編成については、リーフレットやホームページなどでお客様にお知らせし、すでにたくさんのご意見が寄せられています。この度、この再編(案)についての説明会を、交通局及び道路局、都市整備局合同で開催することといたしました。
説明会は、市営バスの運行エリアを4つの地域に分けて、それぞれ2回ずつ(平日及び土曜か日曜に1回ずつ)、同じ会場で開催いたします。

横浜市営バス路線の再編成に関する地元説明会の開催について@web archive(横浜市2006/10/5)より

ただし、相当なレアなケースですが2007年前後に横浜市で市営バスの事業規模適正化と採算性改善を目的に施行された路線移譲・再編成では58路線の再編、合計38路線の非常に大規模な退出意向提出となったのもあってバス事業者である横浜市交通局と、交通政策に関わる各部署により合同の説明会が開催されたようです。

1 趣旨
市内の生活交通として必要なバス路線(横浜市生活交通バス路線)を維持するため、 事業者に補助金を交付し、市民の日常生活の利便性を確保します。
2 補助制度の概要
(1) 補助事業対象路線
神奈川県生活交通確保対策地域協議会において路線の維持が必要と認められ、 市長が指定した路線で、補助事業対象要件を満たす路線。

生活交通バス路線維持制度@横浜市

1 経過
市営バスの暫定運行路線(8路線)は、平成18年度における58路線再編時に、市営バス事業の経営上、または民間路線等と競合していることから廃止または一部廃止すべき路線として位置づけましたが、お客様の多くの存続の要望を踏まえ、市は「市営バス路線暫定運行事業」を創設しました。
その内容は、暫定運行路線を激変緩和措置として2年間に限り運行する路線とし、交通局が市の補助金を受けて、市営バスを運行するというものです。

暫定運行路線の営業路線化について@横浜市交通局

そしてこの時は再編・廃線規模が大きかったことで廃止される市営バスの路線を京急バス等民間企業に移管するために生活交通バス路線維持制度を設定し、基準を満たした企業に対し補助を実施しています。この制度は現状でも続き基準を満たした事業者(横浜市営バス含む)に対し補助金を支出してバス路線の維持を行っています。

神奈川県内の乗合バス事業者(神奈川中央交通株式会社、富士急湘南バス株式会社、相鉄バス株式会社)が、国の地域公共交通確保維持改善事業費補助金を活用して、路線バスの確保維持を計画しています。
この計画について、皆さまから意見募集を行い、協議が調いましたので、結果をお知らせします。
なお、事業目標を達成するために行う事業については、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、実施しない場合があります。

地域公共交通確保維持改善事業費補助金交付要綱に基づく令和3年度生活交通確保維持改善計画の策定について@神奈川県2020/8/31より

事業者が単独で維持することが困難な地域間幹線系統のうち、国庫補助金の活用により、以下の7系統を確保維持することを目的とする。
この事業の対象とする系統は、いずれも沿線地域の住民の通勤・通学、通院等に利用され、不可欠となっているため、確保維持する必要がある。
神奈川県の策定する「かながわ交通計画」では、既存の交通網を生かした公共交通の充実と、高齢者、障がい者をはじめ、誰もが利用しやすく、安全で快適に移動できる環境づくりを推進することとしており、これら地域間幹線系統を確保維持することは、本計画の目指す地域交通のあり方とも整合している。

生活交通確保維持改善計画(地域間幹線系統確保維持計画)@神奈川県2020/7/29より

また国の補助金を利用して維持するケースもあります。上は国の地域公共交通確保維持改善事業費補助金を用いたケースです。地域間幹線系統確保保持計画によるものと言う事で今回の京急ニュータウン野比海岸に対しては用いられない可能性も高いですが、参考と言う事で書いておきます。

市民と市担当者に臨む事

写真:京急ニュータウン野比海岸行バスと野比中学校バス停を共有する久里浜医療センター行バスの終点久里浜医療センターバス停

さてここまであくまで個人的な見解と言う事で書いてきましたが、僭越ながら市民の皆様と市の交通政策担当者の皆様へのお願いを少し書きます。

利用することと正当な手段で地域の意思を担当者に伝える事~市民の皆様に望む事~

まず市民に皆様に関して望むのは公共交通を残すためにまず利用してください事です。日本の公共交通は「独立採算で世界の潮流からずれている」と言われますが逆に言えば採算がとれるほどの利用があれば廃止の俎上に上りづらいとも言えます。また多くの利用者が利用している交通機関に関しては政治的な意味合いでも廃線にはしづらいと思われます。

そしてもう1つ望むのは仮に廃線となるバス路線が出たとして廃線に反対だったとした際にそれを地域の意思としてきちんと行政や交通事業者へ正式な手続きをもって伝えてほしいという事です。例えば横浜市の生活交通バス路線維持制度の場合、もともと大規模な路線の改編で何らかの対応が必要だったとはいえ、利用者の要望が後押しになってできたという制度です。ここまで大きな制度は無理にしても周辺のバス路線にバス停を追加してフォローするなどやれる手は浮かんでくるかもしれません。そしてその為にはクレーマーのようになるのでなくあくまで正当な手続きで行ってほしいという事です。

地域公共交通を守るための知恵袋となってほしい~政策担当者に望む事~

写真:地方のバスで存在感があるイオンモールバス@イオンモール高崎

今回のようなバス路線の廃線に関して、この2年近いコロナ禍においてバス事業者である京急バスの乗客減によるダメージが大きい事を考えると今後こういった話が増えてくる可能性が高いです。そして横須賀市の交通政策担当者は間違いなく小田原市や横浜市の担当者に比べて廃線の申請が事業者から出てきた際のどう対応するかのノウハウは少ないはずです。それは担当者の怠慢でも市民の不幸ではなく横須賀の公共交通がなんだかだいって順調に運営されてきたという意味で幸福な事でした。

そんな中で交通政策担当者には2つの事を高めていってほしい言うのが交通政策担当者への望みです。
2つの事の1つは法や制度に関して精通していてほしいという事です。ただ少なくとも現状横須賀市の交通政策担当者が不勉強と言う意味合いではないです。例えば地域交通支援事業(ガイドライン)を見ると他の市の制度を参考にしつつ、横須賀市の実情も踏まえたよく考えられた制度でありきちんと他市の制度などを勉強しているように感じます。しかし体験の少ないバス路線の廃線に関する申請への対応に関してはこれから学ぶべきことは多いと思います。それを怠らないでほしいと思います。

地域公共交通活性化再生法の改正@国土交通省より

2つの事のもう1つは地域を極めていってほしいという事です。上の画像は国土交通省の地域公共交通活性化再生法の改正に関する資料の地域公共交通計画に関する部分を抜き出したものです。見ると地域旅客運送サービスでは鉄道・バス・タクシー・旅客船など既存の公共交通に加えてスクールバスや商業施設・病院の送迎サービスなどの活用も図で示されています。この地域公共交通計画自体は廃線の問題が出てきたときに直接的に関係するものとはいいがたい部分がありますが、ただその考え方は廃線の問題が出てきたときに活用できると思います。横須賀市で言えば富士スーパーやイオンなど送迎用の無料バスを走らせているケースがあり、地方都市では写真にある群馬県高崎市のイオンモールの様に有料の路線バスをSC内に整備したバスターミナルに乗り入れさせたり、広告ラッピングを行ってバス会社の増収に結び付く、あるいはSCの負担で土日祝日に小中学生の利用を無料にするなどの事を行っているケースを見かけます。そういった存在を活用して路線バスの寿命を延ばすという事は考えられますし、また最悪廃線となった際にこういった送迎バスを活用することで買い物弱者の発生を抑えるという事も可能になると考えます。また当然のことながらバス路線の運行ルート、バス停の位置、地域の地理をきちんと把握しておくことで既存のバス路線の活用、バス停の増設などで廃線時にできるフォローの幅が広がるというのは言うまでもありません。当然現状でも交通政策担当者がその努力をしていないとは思いませんがこれまで以上にそこに磨きをかけてほしいと思います。

如何だったでしょうか?バスをはじめとする公共交通に厳しい時代ですがその中で公共交通の維持発展に役立ってくだされば幸いです。

参考サイト

神奈川県生活交通確保対策地域協議会

地域公共交通活性化再生法の改正@国土交通省

バス路線の退出等の状況について@小田原市

生活交通バス路線維持制度@横浜市

地域公共交通確保維持改善事業費補助金交付要綱に基づく令和3年度生活交通確保維持改善計画の策定について@神奈川県2020/8/31

地域交通支援事業(ガイドライン)@横須賀市

かながわ駅からバス路線案内

「はまちゃんバス」Go!!~横須賀のバスを考える~

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横須賀の交通政策に関するリンク集

写真:ノンステップバス導入も行政がサポートしています。湘南なぎさの丘行

さて公共交通と言うと横須賀で言えば京急の様に鉄道会社やバス会社が商売として行っているイメージがあります。横須賀の鉄道やバスは基本的に京急やJR等民間企業が運営しているので間違ってはいないですが、例えば写真のノンステップバスの様にバリアフリーの実現や渋滞を緩和してよりスムースな交通を実現するために行政が様々な協力を行うというのは目立ちませんが様々な形で行われています。ここではそんな取り組みがわかる様なHPを紹介していきます。

横須賀市のHP

横須賀市都市計画課
・横須賀市の都市計画を担当する部署です。まちづくりに関わる都市計画だけでなく交通企画と言う形で公共交通にも大きくかかわっています。

三浦半島生活交通ネットワーク計画協議会
・地域公共交通確保維持改善事業と言う地域交通を支援するための補助制度の為に生活交通ネットワーク計画の策定を行う協議会です。現在市を跨ぐバス路線に関係する市町(横須賀市、逗子市、三浦市、葉山町)が参画して京急バスのノンステップバスPTPS(公共車両優先システム)、バスロケーションシステム等の導入の為の補助を行い京急バスを中心に三浦半島の公共交通をより便利にするため取り組んでいます。

横須賀市地域公共交通会議について
・道路運送法(昭和26年法律第183号)の規定に基づき、地域における需要に応じた住民の生活に必要なバス、公共交通空白地有償運送等の旅客輸送の確保その他旅客の利便の増進及び地域の実情に則した輸送サービスの実現に必要となる項目を協議するため、学識経験者、市民、事業者、行政、警察など関係者が参加して行われる会議です。

地域交通支援事業(ガイドライン)
・「地域交通支援事業」とは、今ある公共交通をもっと使いやすく改善できないか、また新しい公共交通を導入できないかと考えた時に、地域が主体となってニーズに合った公共交通の改善や導入を目指す取り組みを、市が支援するものです。

写真:バスだけでなくタクシーもUDタクシー

タクシー車両のバリアフリー化(横須賀市UDタクシー導入促進協議会)
・ 地域公共交通確保維持改善事業と言う地域交通を支援するための補助制度の為に生活交通ネットワーク計画の策定を行う協議会です。 誰もが移動しやすい環境づくりを目指し、国が定める移動等円滑化の促進に関する基本方針(バリアフリー法)に基づき、市内を運行するタクシー車両のバリアフリー化を推進するために、この計画の策定に係る協議を行っています。

コミュニティバス「ハマちゃんバス」
・「ハマちゃんバス」は、平成30年12月から浜見台地区において、交通事業者により試験運行を行いました。地域の皆様のご協力により、非常に多くの方に利用いただき、乗車人数等の試験運行の目標を達成することができました。これにより、令和元年12月2日から乗車定員13名の車両を導入し、乗合バス事業として本格運行を開始しました。

三浦市のHP

三浦市>政策課>政策課(政策担当)>公共交通
・三浦市の公共交通の政策に関する目次ページです。

三浦市地域公共交通会議
・道路運送法(昭和26年法律第183号)の規定に基づき、地域における需要に応じた住民の生活に必要な交通手段の確保、その他旅客の利便の増進を図るために必要な事項を協議するため、三浦市地域公共交通会議を設置された協議会です。

神奈川県のHP

写真:県を通じて京急への要望も行っています。

道路・交通
・神奈川県の道路・交通政策に関する情報をまとめたリンク集です。

神奈川県鉄道輸送力増強促進会議
・神奈川県鉄道輸送力増強促進会議は、鉄道輸送力増強等に関する情報収集や、国及び鉄道事業者への要望活動等を行うため、神奈川県と県内全ての市町村及び経済団体(商工会議所連合会、商工会連合会)によって構成される会議です。
・会議には、JRの路線及び民鉄ごとに14の部会があり、各部会で、鉄道事業者に提出する要望内容を調整しています。本市では、「京浜急行電鉄部会」、「東海道本線・横須賀線部会」に参加し、情報収集・要望活動を行っています。

神奈川県生活交通確保対策地域協議会
・県内における乗合バスの路線退出等にかかる生活交通の確保方策について、県・国・市町村・バス事業者が協議を行うために平成13年6月13日に設置されました。バス路線の廃線に向けた話し合いを行う場所の為、あまり有り難い情報ではないですがバス路線の廃線の情報を調べたい場合はこちらへどうぞ


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京急第一四半期決算資料を読んでみる

 

写真:横須賀の公共交通の最大の担い手である京急、新型コロナの影響は?

鉄道大手18社、全社が最終赤字 4~6月期@日経新聞8/12

 2020年4~6月期の決算は京急をはじめ各地の鉄道が大きな新型コロナの影響を受け大手18社全社が赤字と言うある種の惨状を呈しました。ここでは横須賀の公共交通の大きな担い手である京急の決算を京急と同じく横浜に乗り入れる東急電鉄(以下東急)、相模鉄道(以下相鉄)と比較しながら見ていきます。

※尚ここで書かれていることはあくまで筆者の個人的見解です。ご注意ください。

1、横浜乗り入れ3社で最大の落ち込みを見せる京急~営業収益比較~

写真:京急と同じく横浜に乗り入れる私鉄東急、写真の目黒線は横浜駅に乗り入れませんが…
表1:横浜駅乗り入れ大手民鉄3社の20213月期第一四半期(以下第一四半期)営業収益(単位百万円、決算短信より作成、東急相鉄も同様資料より作成、※:親会社株主に帰属する四半期純利益)

 さてまず基本的な部分である営業収益や各種損益から見ていきましょう。京急の第一四半期の営業収益は46062百万円、営業利益は10933百万円、経常利益は11549百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は9115百万円の損失となっています。営業収益は実に47.5%減少と半減近く新型コロナの影響の大きさが見て取れます。
 相鉄・東急との比較でも東急・相鉄が営業収益の減少が東急・相鉄20%代なのに対し50%弱とコロナの影響は他の私鉄に比べても大きい事が見て取れます。

 纏めると
・京急の第1四半期営業収益は47.5%減収と東急・相鉄に比べてコロナの影響による減収が倍以上となっている

2、京急の成長を支えた空港・新幹線アクセスが逆風に~月次営業成績を見る~

写真:横須賀・横浜からの空港アクセス列車と言えば…エアポート休校羽田空港行き@日ノ出町駅
表2-1:京急・東急・相鉄3社の定期の輸送人員・旅客収入増減率(各社月次営業成績のお知らせより作成)

 何故京急は他の鉄道会社に比べてコロナの影響が大きかったのでしょうか?各社の月次営業成績から見ていきましょう。
 まず定期の乗客について見ていきましょう。第1四半期の定期の旅客収入の減少は28.3%、これは相鉄の25%減少よりは大きいものの東急の33%減少よりも小さく、こと定期に関しては京急への影響はそこまで大きくないと言えます。
 全体的な推移としては、4月7日に出て5月25日に解除された非常事態宣言の影響から4月32.2%5月37.2%との落ち込みが最も大きかった事、緊急事態宣言が解除された6月以降は7月22.9%、8月21%と順調に回復しているのがわかります。

表2‐2:月次営業状況のお知らせ(鉄道)@東急より

 3社の中で東急の定期の利用者の減少が大きかった理由は通学定期客が80.7%減少と激減したことにあります。
 東急の沿線には東急自身が運営に関わっている東京都市大をはじめ、慶應義塾、東京工業大学など大学が多く、その多くがリモート授業により通学需要が消滅する度合いが大きかったことが挙げられます。
 逆に言えば京急や相鉄に関しては大学の少なさによって定期の収入減が大きくならずに済んだと言えます。

表2-3:京急・東急・相鉄3社の定期外の輸送人員・旅客収入増減率(各社月次営業成績のお知らせより作成)

 続いて切符を買って乗る定期外の状況を見ていきましょう。
 京急の第1四半期の減収は63.3%減少、東急の56.7%、相鉄の52.5%より大きく、また7月・8月の回復状況も43.7%減少→46.2%減少と足踏みが続き8月段階で減少幅を30%以内に回復させた東急・相鉄との差が開いていることが見て取れます。

 JR東海は29日、5月1~28日の東海道新幹線の利用者数が前年同期比で91%減少したと発表した。新型コロナの流行を受けた大型連休中の旅行の取りやめや、出張の自粛などで大幅に落ち込んだ。6月1日から定期ダイヤに戻すが、需要の回復には一定の時間がかかるとみている。

5月の東海道新幹線、91%減 利用者、旅行や出張手控え@共同通信2020/5/29

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う海外渡航制限の強化や、国内における移動自粛を受け、2020年4月~6月の旅客数は国内線で前年同期比88%も減少。国際線は同96%も落ち込み、売上高の7割弱を占める旅客事業の需要が蒸発した。

ANA、1590億円赤字で崩れる「脱コロナ」シナリオ 旅客需要が蒸発、資金繰り確保を優先だが…@東洋経済2020/8/2

 その理由として大きいのは羽田空港アクセスの存在が挙げられます。
 輸送人員ベースしか分からないですが、それでも第1四半期69.8%減少、7月56.1%減少、8月59.6%減少と京急全体の減少幅より大きく、かつ回復も緩やかで、もともと追加運賃もあり顧客単価が高い為、その影響が全体に波及していることが見て取れます。
 京急は航空のターミナル羽田空港と新幹線のターミナルである品川駅に乗り入れているのが強みだったわけですが、withコロナの時代において移動自粛により、長距離の移動が激減した影響をもろにかぶってしまったというのが大きいと言えます。
 言うなれば京急の運輸減収が大きくなり、回復ペースも緩やかな大きな理由は平時のドル箱だった空港・新幹線アクセスが移動自粛により激減したからと言えます。

・3社共通の状況としては通勤・通学の定期客の減少は定期外よりも緩やか
・定期客に関しては東急・相鉄に比べてちょうど中間である京急の減少が激しかったわけではない
・定期外客に関しては京急は東急・相鉄より影響が大きく、回復傾向が緩やか
・その理由としては平時のドル箱だった羽田空港に代表される空港・新幹線アクセスの影響が大きい

 

3、交通事業への集中度合が明暗を分けた~セグメント収益比較~

写真:鉄道会社の華、ターミナル駅ビル@Wing久里浜
表3-1:京急第一四半期セグメントごと収益(単位百万円、2021年3⽉期第1四半期 決算補⾜説明資料より作成、単位百万円、※:損益計算書計上額)

 続いて京急のセグメントごとの収益で見ていきましょう。
 京急のような大手私鉄は鉄道やバスなどの交通事業だけでなく、写真のwing久里浜や京急ストアの様な流通事業や、野比の京急ニュータウンなどに代表される住宅、YRP等の都市開発などの不動産事業など所謂副業と呼ばれる交通以外の事業の収益の存在も大きいのが特徴です。

交通事業

鉄道事業およびバス事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出の自粛等の影響を受け、輸送人員が大幅に減少したことなどにより減収となりました。

以上の結果、営業収益は161億6百万円(前年同期比49.0%減)、営業損失は89億2千万円(前年同期は営業利益52億2千2百万円)となりました。

2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)より


 メインの鉄道・バスなどの交通事業は外出自粛の影響が大きく、全体の減収より大きい49%もの減収となっています。
 最も減収幅が大きかったのはタクシーで56.6%減収、そして鉄道48.8%、バス48.7%減収と各交通モードまんべんなく減収しているのが特徴です。
 その結果89.2億円と全体の8割を占める営業損失を計上しています。

不動産事業

不動産販売業では、前期の大型分譲マンション引渡しの反動などにより減収となりました。

不動産賃貸業では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う店舗休業等の影響を受け、賃料収入が減少したことなどにより減収となりました。

以上の結果、営業収益は70億9千9百万円(前年同期比67.6%減)、営業利益は4億4千9百万円(前年同期比85.6%減)となりました。

2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)より

 そのほかの事業セグメントを見ますと不動産事業はもともと大型マンション引き渡しが前期にあった反動で、不動産販売が85.1%もの減収となりました。
 賃貸に関してもSCテナントの休業による減収が響いて11.8%減収で収益全体では大幅減収となりました。ただし大幅減益ながら4.5億円の営業利益を計上しています。

レジャー・サービス事業

ビジネスホテル業では、京急EXホテル・京急EXインは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う宿泊客の減少により減収となりました。

レジャー関連施設業では、京急開発㈱は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う休業要請を受け、一部施設において臨時休業したことなどにより減収となりました。

以上の結果、営業収益は36億2千5百万円(前年同期比60.7%減)、営業損失は19億4千9百万円(前年同期は営業利益17億5千3百万円)となりました。

2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)より

 続いてレジャー・サービス事業に関しては、交通事業より大きな減収かつ営業損失を計上しました。
 特にビジネスホテルである、京急EXホテル・京急EXインは第一四半期88.1%もの減収となっており、影響の深刻さがうかがえます。
 マリンパーク、京急ホテルなどレジャー関連施設の減収幅も57%と大きく外出自粛の影響が交通事業以上にもろに出たセグメントと言えます。
 そしてその結果交通事業に次ぐ19.5億円の営業損失を計上しています。

流通事業

百貨店業では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う臨時休業および営業時間短縮の影響を受け、客数が減少したことなどにより減収となりました。

コンビニエンスストア・物品販売業では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う鉄道の輸送人員の減少、臨時休業および営業時間短縮の影響を受け、駅ナカ店舗を中心に客数が減少したことなどにより減収となりました。

以上の結果、営業収益は193億5千2百万円(前年同期比22.6%減)、営業損失は4億8百万円(前年同期は営業利益7億1百万円)となりました。

2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)より

 元YOKOSANを含む京急ストアでおなじみの流通事業に関しては収益では22.6%減収と交通事業より浅いとは言え、影響が出ました。
 京急ストアなどのスーパーマーケットは3.0%減収と影響が軽微だったのに対し、京急百貨店・Wingに代表される百貨店・SCは42.4%減収、エキナカを中心とした物販・コンビニに関しては44.3%減収となりました。
 原因としては百貨店は外出自粛の影響、物販に関しては駅利用者減少の影響が大きいと思われます。
 その結果4.8億円の営業損失を計上しています。

その他

京急建設㈱は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う工期の見直しおよび一時中断などにより減収となりました。

以上の結果、営業収益は73億2千5百万円(前年同期比18.4%減)、営業利益は2千4百万円(前年同期比77.1%減)となりました。

2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)より

 京急建設を中心としたその他の事業に関しては工期見直しや工事中断とした影響を受けています。その為18.4%減収となりました。
 しかしその中でも前年比77.1%と激減ながら2400万円の営業利益を計上しています。

以上の結果、営業収益は460億6千2百万円(前年同期比47.5%減)、営業損失は109億3千3百万円(前年同期は営業利益109億2百万円)、経常損失は115億4千9百万円(前年同期は経常利益104億7百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は91億1千5百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益70億3千2百万円)となりました。

2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)より

 こうした各セグメントの状況が積み重なり、結果的に対前年47.5%減収、109.3億円の営業損失に繋がりました。
 全体的な傾向としては、鉄道バス等の交通事業セグメントが営業損失の8割を占め、減収幅も大きい事を考えると交通事業以外の所謂副業と呼ばれるビジネスが交通事業・観光レジャー事業のショックを緩和したと言えるのではないでしょうか?

表3-2:京急・東急・相鉄の第一四半期交通・運輸セグメント収益比較(単位百万円、2021年3⽉期第1四半期 決算補⾜説明資料より作成、単位百万円、東急相鉄も同様資料より作成、シェアは営業収益における※:損益計算書計上額)

 そしてその前提で東急・相鉄と比較してみます。
 京急の営業収益における交通事業セグメントのシェアは34.97%、東急・相鉄の同様のセグメントのシェアがそれぞれ14.3%、11.57%なので2~3倍と大きい事が見て取れます。

東急株式会社(以下、東急)の子会社であるBECAMEX TOKYU CO.,LTD.(以下、ベカメックス東急)と、NTT都市開発株式会社(以下、NTT都市開発)は、ベトナム社会主義共和国・ビンズン省の省都ビンズン新都市において合弁会社「H9BC INVESTMENT COMPANY LIMITED」を2020年7月に設立し、分譲マンションMIDORIPARK The GLORY(ミドリパーク ザ・グローリー)」(以下、本物件)に2020年12月から着工します。

ベトナム・ビンズン新都市において、東急とNTT都市開発が合弁会社を設立し、12月から分譲マンション「MIDORI PARK The GLORY」に着工します@東急ニュースリリース2020/10/7より

相鉄グループの㈱相鉄ホテルマネジメント(本社・横浜市西区、社長・吉田修)では、2019年7月25日(木)に、相鉄グループの宿泊特化型直営ホテルとしては大阪市内で4店舗目となる「相鉄フレッサイン 大阪なんば駅前」(大阪府大阪市)を開業します。

「相鉄フレッサイン 大阪なんば駅前」を開業@相鉄プレスリリース2019/5/8

 実際東急や相鉄は地元以外、極端に言えばベトナムなどの海外でも積極的なビジネスを展開しており、今回の新型コロナの環境においてその鉄道・地元の外でのビジネスの厚みが影響を緩和したと言えそうです。
 逆に言えば京急は副業の厚みが薄く、鉄道・バスなどの交通事業の影響がダイレクトの業績に反映され、かつ今回の自粛で影響の大きかった航空や新幹線に繋がる羽田空港・品川と言う平時のドル箱の存在が逆に傷口を広げてしまったと言えます。

・今回の新型コロナの影響は鉄道・バス等交通事業に対しては大きなものとなった
・その為、不動産・流通などの所謂副業の存在が影響を緩和する効果を持った
・京急が東急・相鉄に比べて新型コロナの影響が大きかった理由はこの副業の厚みが薄かったからと言う面が大きい

4、財政状態~過去の貯金と未来への備え~

写真:これも京急の資産、EXホテル@YRP
表4-1:横浜駅乗り入れ大手民鉄3社の20213月期第一四半期(以下第一四半期)総資産・自己資本比率(単位百万円、決算短信より作成、東急相鉄も同様資料より作成、)

 続いて財務について見ていきましょう。まず自己資本比率に関して、京急の第1四半期段階での自己資本比率は28.1%、東急の29.1%よりは少し小さいものの、相鉄の22.6%よりは大きく3社の中では健全と言ってよい状況にあります。総資産に関しては2020年3月比218.1億円、2.5%の増加となっています。

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を踏まえ、流動性資金確保のための借入等に伴う現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末と比べ218億1千4百万円増加しました。

負債は、支払手形及び買掛金の減少はありましたが、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末と比べ330億6千4百万円増加しました。

また、純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上などにより、前連結会計年度末と比べ112億4千9百万円減少しました。

2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)より

 新型コロナと言う減収が見込まれる環境下での総資産の増加は支払利息や減価償却費と言う固定費の増加につながるため好ましい事ではないです。
 ただ理由としては「新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を踏まえ、流動性資金確保のための借入等に伴う現金及び預金の増加」が挙げられていて、これは今回の新型コロナの影響による急激な減収と言うある種の非常事態と言う前提では適切な対処と言えます。
 更に他社との比較を見ますと東急が1.2%減少、相鉄が5.2%と対照的な状況にあり、その中間で相対的にはそこまでひどくないと言えそうです。

表4-2:横浜駅乗り入れ大手民鉄3社の20213月期第一四半期(以下第一四半期)流動資産・現金・預金(単位百万円、決算短信より作成、東急相鉄も同様資料より作成、)

 そして京急の総資産を増やす要因となった現・預金を見ると共に総資産の増加218.1億円よりも大きな240.4億円の増加の595.9億円となっていることが見て取れます。
 2020年度の年間の営業収益3127.5億円の19%、昨年の同時期だと11.4%程度ですので営業収益1月分余裕を持たせた感じです。
 東急・相鉄との比較でみると相鉄662.2億円、25.0%よりはやや低いものの、東急550.7億円、4.7%よりも大きく十分な水準にあると考えられます。
 流動資産は1250.97億円、40%、こちらは相鉄1084.7億円、40.9%とほぼ同水準、東急3133.9億円、26.9%よりも大きく、言うなれば不確定要素の多いコロナ時代に対応するために現金・預金を増やしたと言え、これはこれで健全なことと考えられます。

 京急の
・自己資本比率は28.1%で東急にやや劣るが相鉄を大きく上回る
・総資産は現金などの流動性確保のため2.5%増加、東急の減少に対し増加、相鉄より増加率は低い
・現金・預金・流動資産に関しては2020年度の営業収益比で考えると相鉄よりもやや低いか同水準、東急より大きい
 まとめると
・京急は横浜駅乗り入れ3社の中でずば抜けてよいわけではないが自己資本比率、現預金・流動資産の確保状況は良い部類で短期~中期的に財政的に危機的な状況に陥るとは考えづらい

5、Afterコロナでも戻ってこない利用者~今後の見通し~

グラフ:コロナ前の6割程度の戻り、品川駅の朝夕ラッシュ時の乗客の戻り具合(9/28)新型コロナウイルスの感染予防に関する取り組みについてより

(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

なお、依然として新型コロナウイルス感染症の収束時期の見通しは立たず、先行き不透明な状況が続くことが予想されますが、同感染症の影響を2022年3月期第2四半期までと仮定し、業績予想を算定しております。また、上記見通しは、新型コロナウイルス感染症の収束時期等により、変動する可能性があります。

2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)より

 今後の見通しの関して京急の決算短信を読むと現段階では2022年度第2四半期、言い換えれば2021年来年の9月まで影響が及ぶと予想しています。

Q6.鉄道の輸送⼈員について,回復度合いをどのように想定しているか︖

・当社としては,2021 年9月末に向けて日本の経済活動が平常時に戻ると想定しているが,その時点においても輸送人員は 100%には回復しないと想定している。

・2021 年3月時点で当初予定から 10%減としているが,それでも経営に大きな影響があり,第2波等の感染拡大で状況は悪化する可能性がある。

2021 年3⽉期 第1四半期決算に関する電話会議 主な質問と回答より

 また株主との質疑応答ではその段階でも輸送人員はコロナ前に戻らない事、2021年3月段階で当初予定より10%減少である事、第2波など感染状況次第では現在の予測よりも悪い状況も予測されているとの事です。

Q1.羽田エリアの基盤整備について,短期的には,国内線・国際線の航空旅客数の戻り方などをどのように考えているか?長期的には,航空旅客数の回復に時間はかかるものの羽田空港の重要性は変わらないと考えているか︖

・短期的では,国際線は現状ゼロに近い状況であり,回復には3年程度は要するのではないかと考えている。国内線は夏には回復すると考えていたが,足元のコロナ感染の再拡大の状況をみると,もう少し回復に時間がかかるのではと考えている。よって,当社線全線のなかでは,空港線の輸送人員の戻りが遅くなると考えている。

・中長期的では,足元のインバウンドはゼロに近いが,今後も日本が観光立国を目指すなかで羽田空港の果たす役割は大きい。競合路線の参入計画もあるが,現時点からアクセス拡充等に取り組むことで優位な地位を確立できると考えている。

2021 年3⽉期 第1四半期決算に関する電話会議 主な質問と回答より

 またコロナ前のドル箱路線である空港線に関しては特に国際線の回復に3年近くかかるなど、他の路線に比べて輸送人員の戻りの遅さを予測しています。ただし羽田空港の役割の大きさから回復そのものに関しては揺らがないと言うのが見たての様です。

Q7.下振れリスクもあるなかで,品川・羽田エリアに大規模投資を継続することは両立可能なのか?

・ 少なくとも品川開発が完成する頃には,ワクチンの普及等によって,感染がないアフターコロナの世界になっているだろう。現状の(鉄道輸送人員の)水準のままで推移するようなことはないと考えている。将来的に品川・羽田エリアが日本の経済を牽引することになる点について不安はない。

2021 年3⽉期 第1四半期決算に関する電話会議 主な質問と回答より

 その上で、現状行っている品川・羽田地区の大規模投資に関してはリニア開業を控え、JR新駅との相乗効果も期待できる品川地区・国際線乗り入れが増加し、機能が高まる羽田空港に関して「日本の経済をけん引する」とまで言う言葉でその将来性への不安を払しょくし、開発の継続を肯定する形としています。

参考:プレスリリースから品川・羽田関連のニュース
複合施設「SHINAGAWA 1930」2020年冬オープン
ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジが「AND ON SHINAGAWA」を拠点としたオープンイノベーション活動への取り組みを開始
羽 田イノベーションシティ(2020 年開業エリア) 9 月 18 日(金)より本格稼働
9月19日(土)から「たべる!あそべる!イノべーる!GO!SKY AREA」キャンペーン
HANEDA INNOVATION CITY
AND ON

Q8.鉄道事業の収益性について,アフターコロナでは輸送人員が 100%まで回復しないと想定するなかで収益性を維持する仕組みはどう考えているのか?

・鉄道事業は固定費比率が高く,収益性は厳しい状況である。

・感染が収束する過程において,必要な事業構造の形が見えてくると考えている。もともと,想定される沿線人口の減少に立ち向かうためには,コスト構造を変えていく必要性があった。デジタル技術活用による効率化等の加速化がいっそう求められる。

・運賃政策についても,新しい時代に合った運賃の在り方なども含めて議論される必要があると考えている。

2021 年3⽉期 第1四半期決算に関する電話会議 主な質問と回答より

 そして利用が完全に戻らない前提における対策としては
・デジタル技術活用による効率化
・運賃の在り方を議論していく
 と言った回答をしています。

「東京デジタルパス」は、東京メトロ線と都営地下鉄線が利用できる磁気乗車券の「東京メトロ・都営地下鉄共通一日乗車券」または「Tokyo Subway Ticket」の有効期限を専用のスマートフォンアプリにより読み取り、デジタルチケットを表示することにより、東京さくらトラム(都電荒川線)をご利用いただけるものです。

デジタルチケット「東京デジタルパス」の技術検証を実施します!@東京都交通局

 デジタル技術活用による効率化に関しては具体的な言及はありませんが、1つの施策としては乗車券のスマホへの移行などはあるかもしれません。
 上は京急も直通がある東京都交通局の取り組み、1日乗車券をスマホで読み取り、表示することで都電荒川線が利用できるようになるという、ハイテクなのかローテクなのかわかりづらいシステムの技術検証です。
 これをそのまま導入するとは思えませんが、企画乗車券に関しては事前購入を増やすために今年スタートしたモバイルPASMOを利用したチケットの電子化は考えられます。
 また京急の場合、三浦半島1DAYチケットなどの企画乗車券が券売機で買える為、その案内を各駅員が行うのでなくインターホンで案内所で行う形で駅業務を減らすことなどは考えているように感じます。

参考:スマホアプリ及びPASMO関連プレスリリース
Apple Pay™の PASMO、本日開始。
モバイル PASMO サービススタート!
8 月 28 日から、お手持ちの PASMO カードがモバイル PASMO に移行できるようになります
鉄道12社局公式アプリ連携

 深沢氏は「(乗車率の)ピークをシフトするような柔軟な体系が考えられる」と説明。朝はピーク時の乗車率が下がるとともに、より早い時間帯へ利用がシフトしているという。ただ現行運賃の具体的な上げ下げには言及しなかった。

JR東、時間帯別運賃を検討 終電繰り上げも@共同通信2020/7/7

 新しい時代の運賃と言うとJR東日本の深沢社長が言い出した事で話題に上る事が多くなった時間帯別運賃がまず浮かびます。
 ただ他の大手私鉄でも同様の取り組みはありますが、京急ではコロナ以前にも指定席性の通勤ライナーウィング号の運行時間拡大や土・休日の快特における有料指定席車両ウィングシートなど、着席サービスによる顧客単価向上の努力は行われてきました。
 今年7月からはK-QUICKでのクレジットカード決済の外にも多少高くつくものの社内での現金購入も可能になりました。新しい時代に合った運賃はwingシートの延長にあるのか、それとも時間帯運賃導入になるのか注目されるところです。

参考:ウィングシート関連プレスリリース
2020年7月18日(土)から土休日の座席指定ウィング・シート 再開&リニューアル!ウィング・シート車内でも、座席指定券(Wing Ticket)が現金でご購入可能に!
KQuick

さて今後の見通しについてまとめると以下になります。

・新型コロナの影響は2021年9月まで続くと予想している
・アフターコロナの時代になってもコロナ前の利用者数までは戻らない
・羽田空港アクセスに関しては国際線関連は最大3年など利用者の戻りは遅くなる
・その上で品川・羽田への大規模投資に関してはこのエリアが日本経済をけん引するという見たての元継続する
・利用者の戻りきらないアフターコロナの時代においてはデジタル技術活用による効率化、新しい時代に合った運賃体系を考え対応していく

6、地域投資主体としての京急と地域~決算資料で書かれなかったことに関する考察その1~

写真:シーサイドラインの駅乗り入れで面目を一新した金沢八景駅,今年2月にwingキッチンも開業

これまで読んできた決算資料から言えることを大まかにまとめると以下になります。

・京急の営業収益は同じ横浜に乗り入れる東急・相鉄よりも大きい
・交通事業に関しては平時のドル箱だった羽田空港に代表される空港・新幹線アクセスの影響が大きい
・また副業の厚みが薄い為東急・相鉄よりも緩和の度合いが小さかったことの影響も大きい
・財務状況に関してはずば抜けているわけではないが自己資本比率、現金・預金の保有量共に悪くないと言える
・今後の見込みとしてはアフターコロナの時代においてビフォーコロナの利用者数に戻ることは無いと予測している
・ただし品川・羽田エリアは「日本経済をけん引する地域」であり大規模投資は継続する

 財務に関してはおいておくとして、その他を見ると少しおかしいように感じないでしょうか?京急の現状の苦境の原因は平時にドル箱だったとはいえ、羽田・品川の存在への依存度の高さであるのに、その品川・羽田への投資は相変わらず続けその改善は考えていない、決算に関する資料だけを読むとそのように見えます。

写真:横浜本社移転前に運行開始したOPEN TOP BUS

 しかし決算資料には書かれていないですが重要な事があります。品川、特に泉岳寺地区への投資の前提条件として京急本社が昨年9月に品川地区から横浜に移ったことです。

 そしてプレスリリースなどから2020年に入ってからの品川・羽田以外の地区の投資・施策を見ると以下の様なものが浮かび上がります。

2019.9~ 京急本社移転
2020.1  KEIKYU MUSIUMオープン
2020.2  ウィングキッチン金沢八景オープン
    三浦半島の最南端「油壺温泉」が誕生
2020.3  日ノ出町フードホールオープン
2020.8  横浜市役所内SC LUXS FRONTオープン
2020.10  三浦半島まるごときっぷ販売開始(三浦半島関連1日乗車券再編)
2020.10  観光型MaaS「三浦Cocoon」サービス開始

 さすがにwithコロナど真ん中である4~7月はそれほど動きが見られませんが、昨年の本社移転を機に積極的な投資を横浜市を中心に行っているように見えます。
 KEIKYU MUSIUMは本社移転、ウィングキッチンはシーサイドラインの金沢八景駅構内乗り入れ、LUXS FRONTは横浜市役所移転と必ずしも単独のプロジェクトと言うわけではないですが、地域の動きに合わせて積極的な投資を行い羽田・品川一極集中の解消を目指しているように見えます。
 そして横須賀・三浦半島でも企画切符の再編や観光型Maasのサービス開始など、その投資・施策の波が移ってきているように感じます。

写真:京急が大きくかかわったYRP,鉄道・バス事業者は単なる交通事業者と言うだけでなく地域の投資主体とも言える

 その上で横須賀・三浦半島の地域にに求められるのは横浜が行ったように地域への投資に京急を巻き込むことではないでしょうか?
 横浜にとって京急グループはJR東日本、横浜市交通局、東急、相鉄、神奈中バス等、交通分野における主要な社局の1つを占めるに存在にすぎません。
 一方横須賀・三浦半島にとっては横須賀線があるとはいえ、公共交通のほぼすべてを運営している存在です。
 そして2008年に横須賀を中心に展開していたスーパーYOKOSANを買収したり、野比地域の大規模ICT技術研究開発拠点であるYRPの開発に推進組織として大きくかかわり、また観音崎京急ホテルなどの観光に関する投資は古くから行われるなど、地域の投資主体として活躍してきたという事を忘れてはいけません。
 またわかりやすい開発投資、企業買収だけでなく三浦半島1DAY・2DAYきっぷ等の企画乗車券、観光型MaaS「三浦Cocoon」等自らの鉄道やバスの利用促進が目的とは言え、横須賀・三浦半島に多くの観光などのお客様を連れてくる為の試行錯誤も行ってきた企業です。コロナ前のどぶ板通りで京急の企画乗車券を片手にTSUNAMI等のネイビーバーガーの有名店に行列する人を見かけたという方も少なくないはずです。

 社会人になって以来職住近接を実践し、オフィスに歩いて行ける範囲に住み続けてきた小田理恵子氏が住み替えたのは、京浜急行本線久里浜駅から歩いて30分ほど、久里浜港の近くの分譲賃貸マンションだ。

 「通勤にかける時間も体力ももったいないとずっとオフィス近くに更新のたびに引っ越しながら住んできましたが、オンラインで仕事ができるのなら、一度は海の近くに住んでみようと5月10日くらいに思い立ち、6月4日には引っ越しました」~中略~

 横須賀市自体は三崎にまぐろを食べに行ったことがあるくらいで探し始めるまでは認識外のエリアだったそうだが、鎌倉を始めとする湘南エリアよりも家賃が安く、千葉よりも現在オフィスのある渋谷への通勤がラクという判断。久里浜は始発もあって便利な立地である。地方では車利用を生活の前提にしているが、都心からのワーケーション利用なら車なしで考えたほうがサステイナブルとの選択でもある。

通勤利便性最優先から一転、海辺の分譲賃貸へ@東洋経済2020/8/6より

 またwithコロナの時代においてテレワークの一定の普及もあってか、「郊外」とは名ばかりの人口密集地帯でなく、テレワークスペースの確保が容易な充実した住空間、海などの豊かな自然環境があり、公共交通に代表される都市生活インフラがそろい、かつ東京などの大都市都心への通勤も可能な本来の意味での郊外地域への移住と言う意味での関心も高まっています。

 そうした中で「本社のある横浜」「日本経済をけん引する地域である品川・羽田」と並ぶ京急における第3の柱として「名ばかりの人口密集地でない本来の意味での郊外生活を提供できる郊外都市としての横須賀・三浦半島」としての価値を高める為の投資を横須賀市を中心とした地域と京急で力を合わせて行っていくというのは意味のある事ではないでしょうか?

・決算関連書類だけを見ると京急の投資は品川・羽田に偏り現状の苦境の原因である品川・羽田への収益源集中の解消は考えていないように思える
・しかしプレスリリースを丹念に読み取ると昨年の本社の横浜移転を機にKEIKYU MUSIUM,WingKitchen、LUXS FRONT等横浜市で動いている他のプロジェクトに連携した形での積極的な投資が目立つ
・横須賀・三浦半島における京急はメインの公共交通機関であるだけでなく、YOKOSAN,YRP,観音崎京急ホテルなど地域への投資主体と言う側面を持つ存在であり、また企画乗車券などの地域の人を呼び込む試行錯誤を行ってきた存在である
・またwithコロナの時代においてテレワークが一定の普及をしてきたため、テレワーク用のスペースの確保が容易な「本来の意味での郊外」への移住への関心が高まっている
・その中で「名ばかりの人口密集地でない本来の意味での郊外生活を提供できる郊外都市としての横須賀・三浦半島」としての価値を高める為の投資を横須賀市を中心とした地域と京急で行っていくのは意味がある事ではないでしょうか?
 

7、地域公共交通機関としての苦境と高校空白地帯となった横須賀西部地区~決算資料で書かれなかったことに関する考察その2~

写真:厳しい状況に置かれている京急バス@YRP

2020.9.1
ダイヤ変更について【横浜地区】
ダイヤ変更について【横須賀・三浦地区】
ダイヤ変更について【鎌倉・逗子地区】

2020.9.16
東朝比奈循環(朝1・朝2系統)の実証運行一時休止について

2020.10.1
横浜駅(YCAT)・みなとみらい地区 ⇔ 横浜・八景島シーパラダイス線のダイヤ変更について
葉山線および横須賀西地区線の路線統合について
ダイヤ変更について【横須賀・三浦地区】
ダイヤ変更について【逗子地区】

2020.11.1
ダイヤ変更について

 そして同じく決算資料には書かれていませんが、忘れてはならないのはやはりこのコロナの負の波及効果とでもいう点、上は8月以降目立ってきた京急バス横須賀・横浜地区のダイヤ変更のプレスリリースの一覧です。
 詳細はリンク先を見て頂きたいですが、多くのダイヤ変更で「深夜バスの減回」、「運行回数の変更」、「系統の廃止」等、バスの状況の厳しさを伝える文言が現れます。

 県立高校の再編・統合により40年の歴史に幕を下ろす大楠高校。3月に迎える最後の卒業式を前に、現役生や卒業生から別れを惜しむ声があがっている。

大楠高校 40年の歩みに区切り@タウンニュース2020/2/28より

 「コロナの時代だし、3密を避けて自動車通勤するのが合理的」と言う考え方もできますが、学生のように免許がない、あるいはあっても自分専用の車を確保するのが難しい人たちにとってはどうでしょう。
 今年鉄道の便が悪い横須賀市西部唯一の高校である県立大楠高校が公立高校再編で久里浜地区の横須賀南高校に統合され、横須賀市西部から高校が全くなくなりました。
 この地域の高校生や大学生が学校に通うにはバスを使うしかありません。そういった意味でこの地域に住む高校生や、その親御さんにとってバス路線の「深夜バスの減回」、「運行回数の変更」、「系統の廃止」と言う言葉には不安を抱くのではないでしょうか?

表:通勤定期運賃表(横浜の一部と三浦半島全域の対キロ区間)(定期運賃表より)

 またそれらを抜きにして平時の状況においても経済的な負担と言う問題もあります。
 高校の無くなった横須賀西部には京急が造成した住宅地湘南佐島なぎさの丘があります。しかしこの場所からだと最も近い鉄道駅であるJR衣笠駅(衣笠十字路バス停)までは大人片道IC運賃367円、定期の運賃は通勤大人3か月47080円、年間188320円、通学大人3か月37020円、年間148080円と大きな負担になります。
 この地域の高校生、大学生の子供を持つ親御さんはバス代だけでも概ね年間15万円以上の負担を強いられることになります。

表:学割補助を行った北総鉄道の乗客数推移(北総鉄道2007年度上半期決算レポート@つれづれなるままに2008.5.19より)

 この状況を何とか改善できないでしょうか?バスでなく、鉄道ではありますが、考えるうえで、参考になる例があります。
 高い運賃で知られ、そして通学定期券の負担の重さから沿線の千葉ニュータウンでは「子供3人引っ越し準備」と言う言葉まで行きかった千葉県の第3セクター鉄道、北総鉄道では2005年から成田スカイアクセス線開業の2010年まで通学定期の割引率を拡大するために印西市・白井市等の沿線自治体が補助金を負担し、通学定期の割引率拡大を実現しています。※
 その直後である2005年度上半期の決算を見ると高校生世代の子供が激減している時期にもかかわらず、通学定期の利用者が5.8%と激増しました。これが意味するのは
・学生を持つ親御さんの高い交通費負担が軽減した事
・沿線の学生にとって遠方の高校を受ける抵抗感が薄くなったことで教育機会が拡大した事
・そして何より通学のための鉄道利用が増えたことで、鉄道会社の収益が改善した事
・駅の利用者が増えることで駅周辺の小売店舗等が活性化した(この施策が行われた2005年以降千葉ニュータウン地区には大型SCの進出・拡充が相次いでいる 千葉ニュータウン@wikipedia参照)
 これを横須賀西部に当てはめれば地域の人たちにとっては交通費負担の軽減、学生にとっては教育機会の拡大、該当地域にとってはバスの収益の改善により、交通に関しての不安軽減と言う利点に繋がり、また該当地域以外でもバスの乗り入れる主要駅ではコロナの影響で厳しい状況に置かれている小売業にとっても恵みの雨となると思われます。

新型コロナウイルス感染症拡大に対する学びの対策、「葉山の学びを止めないプロジェクト」の一環として、「葉山町特別通学支援給付金」を給付します。

町内に在住し、町外の学校に通う学生の通学定期券等の購入に係る費用の一部を補助します。給付額の上限は15,000円です。

葉山町特別通学支援給付金のお知らせ@葉山町より

 そして横須賀市のお隣の葉山町では年間最大15000円給付と小規模ながら町外の学校に進学する学生向けの給付金の形での通学定期券などに対する補助を開始しました。印西市・白井市・葉山町は横須賀に比べたら非常に小さい市町で、だからこそできたのかもしれませんが、それ故に横須賀のようなより大きな都市が追随し、公共交通の利用者、そして公共交通そのもの、そしてその周りにいる人たちを一挙両得で守れるような施策からスタートしてほしいです。

 纏めると
・バスのプレスリリースを見ると9月以降バスのダイヤ改正の情報が相次ぎ、その度に「系統廃止」「運行回数変更」等バスの厳しい状況を反映した文言が現れる
・今年唯一の高校である大楠高校が統廃合の影響で無くなり、高校の無い地域となった横須賀西部の学生にとってはバスに乗らないと通学できない状況となった。
・そしてそんな学生を抱える親御さんにとってはコロナ前でも年間で通学定期の負担が15万円以上と大きな負担となっている
・千葉県の北総鉄道沿線の千葉ニュータウンでは15年前通学定期への補助を実施し、通学定期代を負担する親御さんの負担軽減だけでなく、学生の教育機会拡大、公共交通運営企業の収益拡大など大きな波及効果を上げている
・横須賀市のお隣葉山町でも小規模ながらも通学定期券に対する補助を開始
・印西・白井・葉山の様な小さな自治体だけでなく横須賀のような大きな都市でも公共交通の利用者、そして公共交通そのもの、そしてその周りにいる人たちを一挙両得で守れるような施策をスタートしてほしい

8、1人の鉄オタ・バスオタもどきが守りたい光景~終わりに~

写真:市の中心を多くのバスが行きかう~守りたいこの光景~


 いかがだったでしょうか?久しぶりの決算レポートで分かりづらいものとなってしまったのが大変申し訳ないです。
 最後にも書きますが、あくまでこの記事は京急を始めとする各社の決算資料を見て一個人が書いた私見です。
 しかしそんな私見が横須賀をはじめとする地域の皆様が公共交通を考える上で少しでも参考になってくれたら、そして上の光景のように公共交通が元気に走り回る光景を守る事に少しでも貢献出来たら1人のオタクもどきとしてこの上ない幸せです。

主な参考資料

京急
京浜急行電鉄
京浜急行バス
2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
月次営業成績のお知らせ
2021年3⽉期第1四半期 決算補⾜説明資料
2021 年3⽉期 第1四半期決算に関する電話会議 主な質問と回答

東急
東急
2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
月次営業状況のお知らせ(鉄道)
2020年度 第1四半期決算概況資料

相鉄
相鉄グループ
2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
月次営業概況のお知らせ(鉄道)
2021年3月期第1四半期 決算説明資料

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