電車とバスでGo!その6~デジタルよこすか満喫きっぷで行くMEGURU PROJECT~

さて現在横須賀ではMEGURU PROJECTと言う観光促進イベントを実施しており、またその際京急のよこすか満喫きっぷがデジタル化されるという話を聞いた私は、いっちょデジタルのよこすか満喫きっぷでMEGURU PROJECTに参加しようと思い立ちました。ここから書く内容は連休の合間の日曜日そんな勢いだけで向かった旅行記らしきものです。

2022/8/27追記
ここで使用しているデジタルよこすか満喫きっぷと現在のデジタルよこすか満喫きっぷではフリー区間に久里浜地区が追加されているなど違いがあります。現在のデジタルよこすか満喫きっぷに関しては以下を参照ください。
よこすか満喫きっぷ@三浦COCOON
一日乗車券をもって横須賀・三浦半島へGo!!

デジタルよこすか満喫きっぷとは

デジタルよこすか満喫きっぷ

まず今回の旅のお供であるデジタルよこすか満喫きっぷについて少し見ていきましょう。
よこすか満喫きっぷ@京急
よこすか満喫きっぷとは
・京急の各駅(泉岳寺駅除く)から~汐入駅・堀之内駅の京急線の往復乗車券
・汐入駅~浦賀駅の京急線1日乗り放題(この区間での購入も可能です。)
・指定された京急バス1日乗り放題
・満喫きっぷ加盟店でのお食事(1回)
・満喫きっぷ加盟施設の利用あるいはお土産(1回)
が出来る切符です。簡単に言えば京急線・京急バスを使って横須賀地区の日帰り観光を行うのに便利な切符と言った感じです。

「デジタルよこすか満喫きっぷ」期間限定発売@京急
デジタルよこすか満喫きっぷとは上の横須賀満喫きっぷがスマホ上で利用でき、かつ事前購入が可能になったものです。
・発売期間は2021年10月23日(土)から2022年1月31日(月)
・購入は下の三浦COCOONのサイトより行い、クレジットカードで決済します。
・購入の際には会員登録が必要となります。
・期間限定で運行される、横須賀駅~燈明堂入口 周遊バス「よこすか潮風ライナー」に乗車することができます。
よこすか満喫きっぷ@三浦COCOON

品川から乗車し浦賀レンガドッグに向かう

デジタルよこすか満喫きっぷ京急線乗車券
デジタルきっぷは有人改札で駅員さんに見せて利用します。

さて購入したデジタルよこすか満喫きっぷを使って品川駅から浦賀駅に向かいます。電車に乗る際は乗車券をスマホで表示し駅員さんに見せて駅に入り電車に乗ります。その為PASMO等で利用する自動改札は使えませんのでご注意ください。

品川からは快特京急久里浜行き
堀之内から普通浦賀行きに乗り換えて浦賀へ

駅に入って電車を待っていると都営線からの京急久里浜駅行が来たのでこれに乗って、途中堀之内駅で普通浦賀行きに乗って浦賀駅に向かいます。

浦賀駅も有人改札を利用

そして浦賀駅でも自動改札が使えないので右の有人の改札でスマホの画面を見せて出札します。浦賀駅では浦賀奉行所開設300周年の横断幕が出ていました。

浦賀のシンボル(?)黒船
2021年の大河の主役のあの方も

浦賀駅からはバスもありますが歩いて浦賀ドックに向かいます。壁沿いはこの浦賀の街が大きく成長した幕末の黒船来航から明治時代に浦賀の街に関わった人たち等の絵で飾られています。その中には今年の大河ドラマの主人公渋沢栄一の姿もありました。

浦賀ドック到着
開国クルーズとガイドツアー、ガイドブックを購入

そうしていると浦賀ドッグに到着します。そしてチケット売り場ではガイドツアーと開国クルーズ、浦賀ドックのガイドブックを購入しました。このガイドブックは猿島航路でおなじみの株式会社トライアングルの作成と言う事でコロナの影響で厳しそうな同社を応援する意味でも購入させてもらいました。
浦賀の魅力を全力でお伝えします。
【永久保存版!】浦賀の魅力がたっぷり詰まったガイドブックが完成しました!

MEGURU PROJECTのスタンプラリーは不参加でしたが

そしてこれらを購入した際に上のスタンプラリーを発見し、急遽参加しました。よこすか海のアニメカー二バルのスタンプラリーです。ちなみに私すっかりど忘れしてMEGURU PROJECT本体のスタンプラリーには参加していませんが海アニの方のスタンプラリーには参加して商品もいただきました。
「よこすか MEGURU PROJECT」よこすか満喫きっぷ 魅力向上やラッピング列車を運行!@京浜急行
海アニスタンプラリー   

いなりずしランチで腹ごしらえ@浦賀いなり

電気屋さんの2階にあります@浦賀いなり

さてクルーズとツアーの前に少し早いのですがお昼ご飯に向かいます。向かったのは浦賀ドッグから浦賀駅方向に少し歩くと見つかる電気店の2階にある浦賀いなりになります。

アットホームな店内です。

店内に入ると非常にアットホームな雰囲気でした。食べている最中には常連さんなのか近所の家族づれが訪れ、にぎやかになったのが印象的でした。ちなみに今回の旅ではスマホの電池残量が生命線なので許可を取ってスマホの充電も行いました。

いなりランチ900円なり

さて昼食は900円のいなりランチと洒落込みました。から揚げとアジフライ等の揚げ物が目立つのでボリューミーではあるのですがそれだけでなく卵焼きなどの1品料理も充実していて単身者には有難いなかなか良い仕事をしているメニューでした。特にから揚げはカリッカリな感じで美味しかったです。このお店は満喫きっぷ加盟店ではないので食べる券は使えませんが、浦賀ドッグに近くおすすめのお店です。
浦賀いなり

川ではないはずの浦賀湾を行く~開国クルーズ~

この船で浦賀湾を巡ります。SeaFriend4

さて腹ごしらえが済んだので、浦賀ドックに戻ります。ここでは猿島に行く船と似たような船が見えます。これが開国クルーズで我々を浦賀湾へ連れて行ってくれる船です。若い元気なガイドさんによると猿島航路の予備の船との事です。
開国クルーズは2022年1月23日までの土・日運航(ただし1月1~3日を除く)していて料金は大人(高校生以上)500円、小中学生250円で1日3~4便運航しています。私は12:00発の第2便を利用しました。
浦賀の魅力を全力でお伝えします。@猿島航路

海側から見る浦賀ドック、立派な堤防が海水の侵入を防いでいます

そして多くの人を載せて船は浦賀湾を巡り始めます。まずはレンガドックを海側から見ていきます。堤防によって海水が遮断されているのが見て取れます。このドックは船の検査・修理を行う場所であり、人間ドックの語源もこの船を検査するドックから来ているそうです。

地面が斜めで船が海に進んで行く様子が見て取れる

続いては船を作る場所を巡ります。まずは船台、良く軍艦が出てくる漫画で進水式と言う行事が行われ、関係者が盛大に船出を祝う光景が描かれるのですが、それがこの船台で行われます。そして驚くことに盛大に祝われて船出した船は完成した訳でなく外観だけ出来て、内装はほとんど手が付けられていないとの事です。

数字と黄色いぽっちが目印、艤装岸壁

さてだったら内装はどうするかと言えばこちらの艤装岸壁で実施したとの事です。黄色いぽっちの所にロープを繋いで船を固定して船の内装の工事を行ったそうです。また番号が振ってありますが1号岸壁、2号岸壁と呼ばれ、番号分船の艤装が可能との事でこの浦賀ドッグでは10隻分の艤装が可能だったそうです。

貨物船

もう少し進むと貨物船が見えてきます。浦賀は造船所こそリタイアしましたがまだまだ港として現役です。

陸軍桟橋

もう少し進むとよこすか浦賀病院と桟橋が見えてきます。これは陸軍桟橋と呼ばれる桟橋で終戦時海外南方から56万人もの陸軍の軍人が引き揚げてくる際に使用した桟橋だそうです。
8,陸軍桟橋@横須賀市

浦賀奉行所跡は小高い丘に

続いて漁船などの係留場所があります。ここの先にある山に300周年を迎えた浦賀奉行所があったそうです。浦賀奉行所は船改めをはじめとして、海難救助や地方役所としての業務を行い、文化・文政(1804~1830)のころから、たびたび日本近海に出没するようになった異国船から江戸を防備するため、海防の最前線として、さらに重要な役割を果たすようになったそうです。ちなみに西浦賀の方には北条氏が里見氏との合戦に備え一門を配置した浦賀城址もあり、徳川・北条と関東の覇権を得た大名がこの地域を重視していたのを見て取れます。
12.浦賀奉行所跡@横須賀市
浦賀奉行所開設300周年@横須賀市

何の変哲もないヨットハーバーとリゾートマンション群…

さて続いてヨットハーバーとリゾートマンションが見えてきます。このリゾート施設が浦賀の歴史に大きくかかわる…訳ではないですがこのヨットハーバーの奥にもう1つのレンガドックである旧川間ドックがあります。

燈明堂跡とその海岸

もう少し進むと狭いながらも綺麗な砂浜とちょっとしたお堂が見えてきます。これは燈明堂と呼ばれた江戸時代の灯台になります。江戸などに向かう遠方からくる船乗りたちはここの明かりを目印に江戸へ向かったそうです。また前のきれいな砂浜は刑場となっていて、船乗りたちに「町の風紀を乱すとこうなるぞ」と言うデモンストレーションとなり浦賀の街の風紀向上に貢献したそうです。
14.燈明堂跡@横須賀市

さて海に出て少し行ってから浦賀方面に戻ります。ペリー来航の際に浦賀湾があまりにも狭くて艦隊が気づかず、通り過ぎてからバックしてから浦賀湾に向かったのですがこのバックしたというのが浦賀の人たちに最大の衝撃を与え奉行所の与力が思わず黒船に乗り込んでしまったそうです。

東叶神社

さて東浦賀を通ります。東浦賀では海岸を通る道路の先に鳥居が見えます。これが東叶神社です。東とついている様に西浦賀には西叶神社もあり東叶神社ではお守りが、西叶神社ではお守りに入れるご神体が売っているので、両方を訪ねてお守りを完成させるそうです。この東西の叶神社ですが浦賀村が東西に分割された際に、神社も東西に分かれたらしいです。叶神社は「願いが叶う」と言う事で合格祈願や縁結びなどで訪れる方が多いのですが叶うの感じがロトと見える関係でロト6が好きな方も結構ゲン担ぎで訪れるらしいです。ちなみに裏山が北条氏の築いた浦賀城址らいいです。川越野戦で有名な北条氏康が築城し、4男で水軍担当の氏規が拠点としたそうです。
10.東叶神社@横須賀市

東浦賀・西浦賀を結ぶ渡し舟の船着き場
小さいですが自転車くらいだったら乗れます。

東浦賀を進むと小さな渡し舟と船着き場が見えます。これは浦賀の渡しと呼ばれる渡し船で、湾によって東西に分断された浦賀の街を結んでいます。湾の外に向かう左側が東浦賀、右側が西浦賀と呼ばれるのですが東浦賀は江戸時代イワシを干して肥料を作っていたのでイワシの匂いで船乗りたちは「浦賀に帰って来たな」と感じていたそうです。
浦賀の渡し
twitter

さてそうすると最後にスタート地点の浦賀のレンガドックに戻ります。個人的には若いはきはきしたガイドさんがきちんと勉強していて丁寧に元気に案内していたのに好感が持てました。またやはりペリーが浦賀湾に気付かずに通り過ぎたエピソードには笑いました。もしかしたら東京湾は我々は海と思っているのですが実は川なのかもしれません。

レンガドックと砲台跡を繋ぐレンガと鉄~「浦賀レンガドック」と「千代ヶ崎砲台跡」をめぐるガイドツアー~

ハンマーヘッドクレーンのバス停に集合

さて続いては「浦賀レンガドック」と「千代ヶ崎砲台跡」をめぐるガイドツアーに参加します。千代ヶ崎砲台跡先回りコースなので上の写真のハンマーヘッドクレーンのバス停に集合です。
「浦賀レンガドック」と「千代ヶ崎砲台跡」をめぐるガイドツアーは開国クルーズ同様2022/1/23までの土日祝日(1/1~3除く)開催、チケットは大人(高校生以上)1000円、小中学生500円、午前・午後の2回ツアー実施となっています。今回は午後の13:00~のツアーに参加しました。
浦賀の魅力を全力でお伝えします。@猿島航路

ツアーで使うイヤホンガイド

ツアーでは上のイヤホンガイドを使います。これがある事で少し遅れても大丈夫です。

前ドア寄りにあるつり革

さてバスに乗って千代ヶ崎砲台跡に向かいます。ちなみにバスには色々な装飾があるのですが上のつり革もその一つ、叶神社の文字をモチーフにしたつり革です。ご利益があるかもしれません。

ガイドツアー用のバス停
本来のバス停の時刻表はこちら

さてバスは砲台に到着します。このバス停はツアー用に特別にあしらえたもので普通のバス路線は乗り入れてきません。
自動車やバイクは手前の駐輪場までとなっています。
一般バスで向かう際には久里浜・浦賀駅から千代ケ崎経由の浦賀・久里浜駅行で燈明堂入り口バス停か長瀬2丁目バス停(久里浜駅からだと千代ケ崎行き、長瀬2丁目行きも利用可)から徒歩となります。
バス停からのアクセスマップ

砲台の案内スペース

少し歩くとトイレや休憩所も備えた案内スペースに到着します。
ちなみに砲台跡の一般公開は入園料などは無料ですが、公開日は土日祝日(12/29~1/3除く)、時間帯は9時30分から15時30分(10月~2月、他は16時30分(入場はそれぞれ15,16時まで))となっています。
千代ヶ崎砲台跡の公開@横須賀市

砲台の模型
レンガなど砲台跡に関わる資料

ちなみに案内所では上の写真にある概要模型や、レンガなど砲台に使われた材料が飾られています。

解説:日本の要塞と東京湾要塞
解説:千代ケ崎砲台の構造

また千代ケ崎砲台が属する東京湾要塞や千代ケ崎砲台の構造などの解説もあります。東京湾要塞は明治初期から~20年代に三浦半島や房総半島に作られた要塞群で猿島もお仲間になります。ちなみに猿島と千代ケ崎だけでなく観音崎、走水等浦賀近辺に集中している感があります。
千代ヶ崎砲台跡パンフレット(一般用、表)(JPG:4,033KB)
千代ヶ崎砲台跡パンフレット(一般用、中)(JPG:2,936KB)

上から見下ろす砲台跡

さて最初に上から砲台を眺めます。案内所から小高い丘を少し上がった先に大きな穴があり、その中に砲台跡があります。言うなれば砲台を土塁で覆った感じになっているわけです。これだったら攻めてきた側の船からは砲の場所はすぐ分からないですし土塁がある程度相手からの砲撃を防いでくれるのも分かります。とは言え明治に作った砲台だけに空からの攻撃は考えていないのだなぁとも思います。

きっと春にはお花見が
東京湾も望めます

あと季節柄花はつけていませんが桜並木もあり、また東京湾も望めるので来年以降東京湾が望めるお花見スポットとして人気が出るかもしれません。

排気筒

また砲台の周辺は上からは見えないのですが大砲を操作する兵隊たちの居住区があります。そして上の様な排気筒の存在があります。有刺鉄線が見えるのでどうしてと思われるかもしれませんが、この排気筒があるのはファーマシーガーデン浦賀と言うレモンやブルーベリー狩りが出来る農園の敷地内にある為、別途ファーマシーガーデンにレモンがり等を行う形で入る必要があります。またその敷地内には土塁から砲撃する兵士達に相手の位置を観察する観測所があり、そこからの指示で大砲の兵隊たちは砲撃を行っていたそうです。
ファーマシーガーデン浦賀
Twitter

大砲の操作をお子あう兵隊の居住区や砲弾などの保管を行っていた地下地区

さてそんな居住区に向かいましょう。居住区の通路はこの様にトンネルが続くような形をとっています。ガイドさんの解説によるとトンネル部分は砲弾の弾薬など湿気ると良くないものの保存スペースが多いとの事で逆にそうでない箇所は明り取りと言う面もあったとの事です。確かに戦争と言う極限状態ではありますが労働環境と言う意味でも工夫されていたのだなと妙な関心を持ってしまいます。

ろ過池:ここで雨水をためろ過し飲める状態にする
貯水所:集水し。ろ過・沈殿を行った水をこの井戸でくみ上げます。

さてまず最初に向かったのは貯水所、上の写真の場所で雨水を集水、ろ過・沈殿させて下の写真の井戸からくみ上げて飲用水等の生活用水を確保します。に多くの兵隊が住まう要塞であるこの砲台で水の確保は大切ですが、最初にこの場所がある事でどれだけ水の確保を重視していたかを見て取れます。

色の違うレンガが・・・

続いてトンネルに向かいます。トンネルではあからさまに色の違うレンガが並んでいるのが見て取れます。右側のこげ茶色のレンガは焼過煉瓦と呼ばれるレンガで、撥水性が高く、雨水の耐水を防いだとの事です。ただこのレンガはコストが高い為風雨にさらされる事が少ない個所では普通のレンガが使われているのが見て取れます。
そしてレンガの積み方ですが、各段ごとに長いレンガが続く段と短いレンガが続く段が交互に繰り返されているのが見て取れます。これはイギリス積みと呼ばれる積み方で、丈夫な事、使うレンガが少なくて済むといった特徴があるそうです。
レンガのイギリス積みとは?フランス積みとの違い@SOUHEKI2021/8/23

砲台に続く通路:ランタンがきれいで夜見てみたいですが入れるのは昼間のみです

続いて最初に上から眺めた砲台に向かう通路に入ります。ランタンの照明がきれいです。

砲弾弾薬庫
点灯室

さて砲台に出るかと思いきや横にそれます。ここは砲側弾薬庫、上の砲台で打ち出す弾薬が保存されていた場所です。また下の写真は点灯室、ランプ室とも呼ばれたそうです。明治にできた施設だからかランプとなっているのが特徴です。

楊弾機これで砲弾を上に運ぶ
こちらで弾薬を受け取ります

そして弾薬庫には謎の穴があります。これは弾楊機と呼ばれるものでこれで砲台の階まで弾薬を運搬したそうです。そして下の写真の箇所で受け取り鉄レールを使って横移動していたらしいのですが今は鉄レールは外されています。これは日中・太平洋戦争末期の金属供出で持っていかれたらしいです。砲台の鉄を回収して何をやろうとしていたのか不思議な限りです。

ステージではなく砲座です
ここから打ち出す砲弾はこのぬいぐるみサイズだそうです

そして砲台に到着します。一見ステージのようにも見えますがここに大砲を備え付け海に打ち出す予定だったそうです。そして打ち出す砲弾は下の写真のぬいぐるみの大きさだったそうです。ここで使われた対応は28㎝榴弾砲と言う大砲だったそうで、当初大砲は欧米列強などからの輸入品ばかりだったそうですが重工業の成長でだんだん国産化が進んだそうです。

何の穴?その1
何の穴?その2

さてこの砲台には不思議な穴がいくつかあります。上の周りの穴は伝声菅と呼ばれ、観測所などからの指示がここから聞こえてきたそうです。そして下の穴は排水の施設で、大砲を打つとどうしても高温となってしまう為水で冷やすのですがそれを上手に排水し弾薬庫をはじめとする水に弱い場所を守る目的もあったそうです。

棲息掩蔽部

さて続いて下に戻ります。ここは棲息掩蔽部、砲台を操作する兵隊さんの居住スペースあるいは倉庫となったスペースです。一見窓も何もないスペースに見えますが通路側に採光窓、壁には通気口、天井には最初にみました排気筒があります。そういった意味でトンネル以外がきちんと再興できる構造なのは環境と言う意味でも考えられたように感じます。

終点、近接防御砲台に続く

さて終点にたどり着きます。ここから本当は近接防御砲台に続くのですがそこは市の敷地ではないのでここが終点となります。

ドライドッグ全体

さて砲台を後にし、続いて浦賀のドックに戻ってきました。浦賀ドックは1889年(明治32年)に建造された民間では最初期にできたドライドック(ドック内に海水を入れないドッグ)であり、いま日本では唯一見られるレンガ造りのドライドックです。
このドライドックのある住友重機械工業株式会社浦賀工場では日本丸や青函連絡船など1000隻に上る艦船を1世紀以上かけて造り続け、2003年に閉鎖され2021年にドックを含む周辺部について横須賀市に寄付され、今回のMEGURU PROJECTと同時に公開されました。
浦賀レンガドック
浦賀ドック@横須賀観光情報

重いパーツなどを運ぶクレーン
鉄道よろしくレールを通って移動します

さてまずはクレーンを見ます。クレーンと言うと工事現場のクレーン車が思い浮かびますがこちらはドックと言う固定された場所の専用のクレーンなのでレール上を移動します。そして何よりも驚くのは写真ではわかりづらいですが鉄板に白い文字で書かれた「昭和20年6月」の文字、戦争末期、日本中が空襲されていた時期に砲台からレール用の鉄が回収されて造船所のドックのクレーンになっていたと考えるとなかなか趣深いものがあります。言ってみればその戦争末期にそこまでこのドックのクレーンが優先されていたという訳です。

フラップゲート

見学コースを進みます。続いて出てくるのは海とドックを隔てる堤防が出てきます。これはフラップゲートと言います。わかりづらいですが重心が海寄りにあるため、普段は海水に支えられて立ち、ポンプなどで海水をドックに入れて両方の水圧が並行するとドック川に倒すとの事です。向こう側にはゲートを開閉するウィンチも見えます。

フラップゲート上からドックを望む

上の写真では閉鎖されているように見えますが、ツアーではフラップゲート上を通り移動します。そしてフラップゲート上からドックを望むとドックの真ん中にドミノ上のものが見えるのが印象的です。

クレーンの残骸

フラップゲートを渡るとクレーンの残骸が出迎えます。残骸ではわかりづらいですが対岸のクレーンに比べて倍近い大きさで線路幅も広くなっています。

レンガを眺めつつドック内部に向かう

そして階段を使ってドッグ内部に降りていきます。ここでレンガドックのレンガをじっくり見ます。砲台跡のイギリス積みのレンガに比べて、各段のレンガの大きさがまちまちなのが特徴的です。これはフランス積みと呼ばれる積み方です。見た目が美しいので洋館などに用いられますが、本来なら耐久性が求められるドックに何故フランス積みが使われたのかは、設計した杉浦栄次郎氏がフランスで技術を学んだからなどの説がありますが不明だそうです。
レンガのイギリス積みとは?フランス積みとの違い@SOUHEKI2021/8/23

ドック内から全体像を望む

ドック内までたどり着きました。先ほどのドミノ上のものを見ると何となく何に使うかがわかる様な気がします。

盤木

このドミノ状のものは盤木と言いこの上に船を載せるのだそうです。コンクリートの塊の上に堅木を載せて高さなどを調整したようです。コンクリートにはワイヤやフォークリフトをひっかける為の穴が開いています。

盤木を横から見る

この盤木の調整ですが普通の船はまだよいのですが潜水艦の様に船底が丸いものだと調整が難しいのもありますが、傾かないように上手く置くのも大変だったそうです。確かに傾いた形で置かれたら船体に無理がかかり、なおすためにドックに入ったのにかえって壊れかねない訳ですから現役時代には多くの職人さんたちが神経質に並べていたのだなと感じます。

ここから何を見るのか

さてドックから出て来て続いては陸側の真ん中にある場所に向かいます。そこではこのような機材が据え付けられています。この器具を使って盤木が真直ぐ据え付けられているか、またドック内に船舶が入って来た時にきちんと真直ぐになっているかを確認し、船舶の場合は左右のワイヤー担当が微調整し、盤木の場合はフォークリフトで動かすわけです。確かに四角い鉄の枠に糸が張っているだけのシンプルな道具ですが、モノづくりで大切な基準を左右する大切な器具です。

レンガドック活用センター

ツアーは先ほどの器具で終了になるのですが続いてレンガドック活用センターと言う施設に向かいます。

活用センター内部

活用センターの内部はちょっとした資料館になっていて様々な資料が置いてあります。

活用センター内の展示パネル

活用センター内の展示では上の様なドック全体の概要だったり、船の作り方などの展示パネルが展示されています。船の様な大きなものの場合個々の箇所の加工もありますが全体のバランスの様な部分もあり双方バランスとりながら物を作って来たのだなぁと感じます。

造船所で使用していた工具

さて続いて工員さんが使用していた工具を見ていきます。ハンマーヘッドクレーンやフラップゲートの様な大きなものが目立ちますが個々の工員さんは手で持つ工具で自分の両手の範囲で仕事していたのかなぁと思わずにいられません。最終的にできるのは何百人も乗る大きな船ですがその大きな船も工員さんの小さな加工の積み重ねで出来ているのだなぁと感じました。

さてそんな感じで千代ケ崎砲台跡と言う軍事施設の跡地と浦賀レンガドックと言う産業施設を巡ってきたのですが、産業も軍事もベースとなるものを築き上げる努力と個々の兵隊さんや工員さんが一生懸命働き、その働くための努力の結晶なのだなぁと感じました。どちらにも用いられたレンガや鉄を作る技術、そして欧米から高いお金を出して買うものだった船や大砲を自前で作るために育てた産業、そういったものの先に現在があるものだなぁと。

よこすか潮風ライナーで横須賀に向かう

レトロ風@ドック前バス停

さて続いては今回のMEGURU PROJECTのもう1つの顔ともいうべきよこすか潮風ライナーに乗るべくドック前バス停に向かいます。よこすか潮風ライナーはMEGURU PROJECT期間の2021年10月23日(土)~2022年1月23日(日)の土曜・日曜・祝日(1月1,2日除く)運行されているバス路線で燈明堂や千代ケ崎砲台の最寄りバス停である燈明堂入口からドック前、観音崎京急ホテル・横須賀美術館前を経由し京急汐入駅最寄りの汐留、JR横須賀駅へ直行するバス路線です。
横須賀駅~燈明堂入口周遊バス「よこすか潮風ライナー」

空港バスや高速バスで使用される車両が使われます。

車両は一般の路線バスの車両ではなく、高速バスや空港バスで使用される車両を使用しています。ただし高速道路を通るわけではないです。

デジタルきっぷを見せて乗車

そしてここでもデジタル横須賀満喫きっぷを見せてバスに乗車します。ここでは京急バス1日乗車券を使用します。ちなみに車内は燈明堂入り口から乗ってきたお客さんが1人いるだけで私も併せてお客さんはわずか2人です。

横須賀美術館向かい側には京急ホテルがあります

さてこのまま空気輸送をするのかと思いきや浦賀側最後のバス停である観音崎京急ホテル・横須賀美術館前10人近い乗車がありました。

平成町を走る

さてこのバス路線には普通便ともいうべき横須賀駅~観音崎のバス路線も並行して走っているのですがこの潮風ライナーが1味違うのは普通のバス路線が国道16号を延々と走るのに対し途中から平成町を通って横須賀駅へ向かう事です。その為16号の渋滞の影響が出る事も無くライナーにふさわしいスピードで走ってくれます。ただその反面平成町の魚市場やうみかぜ公園、三笠公園には停車せず、横須賀中央駅は経由しないのが残念な所です。
横須賀魚市場@横須賀市観光協会
うみかぜ公園@横須賀市港湾緑地
記念艦三笠

横須賀駅

そしてバスは終点横須賀駅に到着します。驚くことに多くの乗客が汐留から京急に乗るのでなく横須賀駅から横須賀線に乗り換えた事です。横須賀に長年住んでいると気づきづらいですが横須賀から離れた地域からだと横須賀へ行く=横須賀線と言うイメージがあり、観光客にとっては横須賀線の存在は決して小さくはありません。また潮風ライナーと並行バス路線の1日乗車券であるよこすか潮風ホリデーパスはそういった人達に向けて造られたのかもしれません。そういった意味でよこすか潮風ライナーは横須賀線を使って横須賀に来る人の為のバスとして渋く活躍しているのかもしれません。
よこすか潮風ホリデーパス(PDF)

横須賀の駅からまちへ向かう

よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸

さて横須賀駅に着いたので横須賀の街中に向かいます。まずは横須賀駅の隣のヴェルニー公園を通るとティボディエ邸があります。ティボディエ邸は、横須賀製鉄所副首長であったジュール・セザール・クロード・ティボディエの官舎として、 1869(明治2)年頃に建築された本州最古級の西洋館との事で今年5月にオープンしました。3メートル×6メートルの大型スクリーンに4K相当のプロジェクターを搭載したシアターなどが売りとなっています。
よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸

ヴェルニー公園からCOASKAを望む
COSKAの2階にあるYOKOSUKA軍港めぐりの窓口

続いてヴェルニー公園からCOASKA方面を望みます。ヴェルニー公園だと米軍基地や自衛隊の基地などもあり基地の船も見事ですがこの方面の市街地の光景もよいものです。またCOASKAから出ている船はYOKOSUKA軍港めぐりの船です。浦賀ドックのツアーでもお世話になった株式会社トライアングルが運行しています。
YOKOSUKA軍港めぐり

横須賀海軍カレー本舗ベイサイドキッチン

そしてCOASKA1階に昨年開業した横須賀海軍カレー本舗ベイサイドキッチンも注目したいところです。海上自衛隊が使用している食器を使って、よこすか海軍カレーや横須賀海自カレーが食べられる護衛艦式ビュッフェレストランで、軍港めぐりが終わってすぐ食べられる軍港めぐりから一番近い海軍カレーレストランです。
Coaska Bayside Stores
横須賀海軍カレー本舗ベイサイドキッチン

記念艦三笠

さて急ぎ足で向かった先は記念艦三笠、ついたのは16:00過ぎだったのですが、この時期の三笠の開館時間は16:00まで、惜しくも間に合いませんでした。残念です。とは言え、その日の三笠m見事でした。

猿島航路のチケット売り場

仕方ないので少し歩くと猿島航路のチケット売り場がありました。と言う事でここでお土産らしきものを買います。猿島のガイドブックです。ちなみにこちらも営業終了直前でした。飲み物やお土産も売っているのでちょっとした休憩にもどうぞ
猿島航路

スタンプラリーとその景品

そして猿島のガイドブックを買ったら海アニスタンプラリーのスタンプが5つになり、クリアしおりをもらいました。このスタンプラリー、結果的に開国クルーズ、レンガドック&千代ケ崎砲台のガイドツアー、そして猿島&浦賀レンガドックのガイドブックと猿島航路関連の出費だけでクリアするというなかなかないパターンとなってしまいました。
海アニスタンプラリー

三笠通の自衛隊グッズ専門店

そして横須賀のまちなかに行きます。三笠通りのMILITARY SHOP YOKOSUKA 三笠本店、ちなみに三笠通りは人が多かったのでここでご勘弁ください。ここも海アニスタンプラリーに参加しています。色んなイベントに参加するノリの良いお店です。またミリタリーと言うか自衛隊などのグッズだけでなく海軍カレーなどのお土産も充実しているお店です。
MILITARY SHOP YOKOSUKA 三笠本店

和菓子司いづみや公式HPより

さてここで満喫きっぷの遊ぶ券を使用し、和菓子司いづみやでかりんとうまんじゅうをお土産に買います。なかなかおいしくいただけました。満喫きっぷの遊ぶ券は記念艦三笠のような施設のチケットにも使えますが上のかりんとうまんじゅうの様なお土産や喫茶などにも使えます。なかなか便利なので満喫切符購入の際には何に使うかを考えるのも楽しみの一つかもしれません。
遊ぶ券 | よこすか満喫きっぷ | 京浜急行電鉄(KEIKYU)
和菓子司いづみや

鳥の巣本店とイルミネーションに見る横須賀の夜の楽しみ

2階にあるので目立たない鳥の巣本店実は行くのは初めてだったりします

さて暗くなってきたのもあって夕飯に向かいます。今宵の夕餉は上の写真の鳥の巣本店です。

食べる券

何故ここになったかと言いますと、どうせなら満喫きっぷの「食べる券」を使いたかったのと魚系のメニューを食べたかったからです。そして「食べる券」を使い限定会席セットを注文します。

お造りとお通し
茶碗蒸し
焼き物はエビ

さて会席セットを食べます。来たのはシラスの大根おろし和えのはお通しとお造り、茶わん蒸し、焼きエビと言うメニューでした。お造りは横須賀と言うか三浦はマグロのイメージですが鯛など地物が中心となっています。また焼きエビは写真の関係で小さく見えるかもしれませんがきちんとした味とボリュームでリッチな気分に浸れました。茶わん蒸しもきちんとしていて、良いアクセントとなっていました。さて見た通りこの会席セットはご飯などはついていなくてご飯やお酒を追加する前提のメニューです。ちなみに昼間の天ぷら膳はご飯もつきます。

追加注文

と言う事で酒蒸しと茶そばを追加しました。酒蒸しはスープもおいしく、茶そばはウズラの卵が入って見た目よりボリューミーでした。
さてこんな感じで食べた夕餉だったのですが、どのメニューも丁寧な造りで、久々の焼きエビをはじめ、海に近く海鮮を売りにするお店らしく素材を生かす料理を味わえました。人数が多かったら豪快に刺し盛りでも頼んで飲み明かそうと思えるお店でした。満喫きっぷと言うとどうしてもどぶ板通りの海軍カレーやネイビーバーガーを思い浮かべてしまいますが、相模湾・東京湾両方に面した横須賀らしく海鮮を肴に飲むというのも楽しみ方かなと思いますし、そういったお店も抑えて居る切符です。
グルメ@よこすか満喫きっぷ
鳥の巣 横須賀本店@食べログ

〆はイルミネーション

さて〆は横須賀のイルミネーションを眺めてから帰ろうと思います。デジタル横須賀満喫きっぷ及びMEGURU PROJECTの魅力がどこまで伝えられたかは分かりませんが、「面白そうだな横須賀にちょっと言ってみっか」と思っていただけたら幸いです。
個人的にはろくに調べず勢いで来てしまったせいで後半少しグダグダになってしまいましたが逆に言えば「日帰りでどぶ板でネイビーバーガー食べて三笠公園やヴェルニー公園を巡る」みたいな横須賀のイメージは変わりました。

水戸はおろか東北地方仙台から品川まで直通する特急ひたち・ときわ号用JR657系

上野東京ライン開業以降品川駅に北関東の群馬・栃木・茨城の県庁所在地である前橋・宇都宮・水戸から直通電車が走り一回乗換えで横須賀まで行けるようになりました。そう考えると遠く北関東からくる人間にとって横須賀は身近な場所になったのですがいかんせん時間もかかるので宿泊も視野に入ると思います。

次は大きなステージで

そうなった時にそれだけの時間をかけられる場所があり、夜、食や酒を楽しみ場所もあり、また食べるだけでなくJAZZを中心に音楽に親しめる場所もある、そんな横須賀の新しい可能性を見出せた旅だったと思います。
2021年イルミネーション情報@横須賀
ヨコスカまちなかミュージック
ヨコスカまちなかミュージック@Youtube

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“電車とバスでGo!その6~デジタルよこすか満喫きっぷで行くMEGURU PROJECT~” への 81 件のフィードバック

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